皐月賞
 大波乱に理由なし 2002/04/14・中山競馬場
 
ノーリーズン(中央)が優勝。鞍上のドイルは馬上でガッツポーズ
  高速馬場の前に人気馬総崩れ―。15番人気ノーリーズンが直線抜け出すと1馬身3/4差で完勝。1分58秒5とナリタブライアンのレースレコードを0秒5更新して、牡馬クラシック1冠目を手中にした。2着は8番人気タイガーカフェが入り、馬連5万3090円はクラシック最高配当。1番人気のタニノギムレットは3着に終わり、桜花賞に続く波乱の決着となった。

 4強、5強とうたわれたハイレベル牡馬クラシックの第1ステージには、思いもよらぬ結末が用意されていた。主役はなんと収得賞金800万円のノーリーズン。7分の2の抽選をくぐり抜けた幸運を存分に生かし、最高のパフォーマンスを演じた。

▼ 第62回皐月賞
1着  ノーリーズン
ドイル
1.58.5
  2着 タイガーカフェ
デムーロ

1 3/4

  3着 タニノギムレット
四位
ハナ

 「ベリーハッピー、ベリーエキサイティング!」とドイルが顔を真っ赤に染める。(2)番枠を生かし、道中はロスなく中団の内を追走できた。4角ではうまく馬場の真ん中へ。それでもここまで伸びるとは誰が想像できただろう。残り100メートルで内で粘るダイタクフラッグを抜き去ると、激しい2着争いを尻目に真っ先にVゴールへ飛び込んだ。

 テン乗りだったドイルは、この完ぺきな騎乗に「以前コンビを組んでいたユタカ(武豊)にレース前、話を聞いておいたんだ。これまでの内容や、内にもたれる癖があること。あの話を聞いて、自信を持って乗ることができたよ」と、デビュー2連勝時の鞍上の名前を挙げた。

 スタンドで声をからした池江師は「抽選をクリアしたときに“ヨシッ、運が来た”と思ったけど、こんなことが本当にあるんだね。まるで夢のようだ」。姉のロスマリヌスはデビュー2連勝後、脚部不安で桜花賞を前に引退。晴れ舞台に立たしてやることの難しさを実感しているだけに「弟で無念を晴らすことができて本当によかった」と感慨深げな面持ちだった。

 一転、戦国模様となったクラシック戦線の主役は、トライアルを挟んで本番に向かう。「東京を一度経験させるつもり。なんとかベストの状態で持っていきたい」。G19勝の名伯楽の視線は、早くも府中の杜に向けられていた。(堀江浩二)

ノーリーズン…牡3歳。父ブライアンズタイム、母アンブロジン(母の父ミスタープロスペクター)。馬主・前田晋二氏。生産者・新冠 ノースヒルズマネジメント。戦績・4戦3勝。初重賞。総収得賞金・147、685、000円。池江泰郎調教師、B・ドイル騎手ともに初勝利。
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