“1番人気”英オークス馬のタグルーダ

 「凱旋門賞・仏G1」(10月5日、ロンシャン)

 今年の凱旋門賞には日本から史上最多の3頭が参戦する。ゴールドシップは重い馬場をめっぽう得意としており、ハープスターは日本勢で初めて参戦となる3歳牝馬。凱旋門賞を勝つために必要な要素を備えている。もう1頭のジャスタウェイは世界レーティング1位。世界最高峰レースに挑む日本馬のライバルをみていきたい。

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 無敗で英オークス・英G1を制して、タグルーダ(牝3歳、J・ゴスデン)は父シーザスターズに初めてのG1タイトルをプレゼントした。きれいな隊列となった英オークスは好位の外めを追走する形。エプソムの下り坂の終盤でいくらか闘争心があふれそうになったが、直線で逃げ馬に並び掛けたシーンはなかなかの迫力。鞍上のP・ハナガンに大きなアクションでハミをかけられると、一気にリードを広げる。6着に終わった愛1000ギニー馬マーヴェラス(牝3歳、父ガリレオ、A・オブライエン)などのライバルを置き去りにして3連勝を決めた。

 1週前の愛オークス・愛G1を直前で回避して参戦したキングジョージ6&クイーンエリザベスS・英G1では後方2、3番手を追走。直線では先行して抜け出したテレスコープ(牡4歳、父ガリレオ、M・スタウト)とムカドラム(牡5歳、父シャマーダル、W・ハガス)がたたき合う形になったが、並んだのは一瞬だけで鮮やかにかわし去り、最後は3馬身差をつける快勝だった。3歳牝馬によるVは73年ダリア、76年ポウニーズに続く史上3頭目。高速タイムで勝った昨年のノヴェリスト(牡5歳、父モンズーン=引退)の2分24秒60には見劣るが、直近10年で4番目となる2分28秒13とV時計も水準。レース後に即、欧州のブックメーカーが凱旋門賞の1番人気に押し上げたのもうなずける強い内容だった。

 しかし、夏には初めての挫折が待っていた。8月のヨークシャーオークス・英G1で2着に敗れて、デビュー5戦目で初黒星を喫する。道中は7頭立ての4、5番手の外め。横一列となった直線半ばでは満を持しての抜け出しに映ったが、スナイパーがいた。最後方からR・ムーア騎乗のタペストリー(牝3歳、父ガリレオ、A・オブライエン)が右ステッキ連打で襲いかかる。相手の動きを見極めて外へ出し、ゴール前の接戦に持ち込んだ鞍上の手腕にやられた格好。同世代の牝馬相手の半馬身差は痛いが、後続には決定的な差をつけており、評価を大きく下げる要素はないだろう。

 09年の英ダービー、凱旋門賞などG1を6勝した父は競走成績はもちろん、母がアーバンシー(93年凱旋門賞馬)、半兄にガリレオと血統背景も一流。引退後は08年の凱旋門賞馬ザルカヴァやウオッカなど名だたる花嫁を集めた。母系は母エジーマをはじめ、スタミナ型だが、硬めの芝で行われた2戦目のプリティポリーSを6馬身差で制しており、馬場コンディションに左右されるタイプではなさそうだ。

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