【ボート】新女王・小野生奈の人間力 会えば絶対好きになる

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 女子ボート界のトップレーサーが集結した「プレミアムG1・レディースチャンピオン」(芦屋)は6日に優勝戦が行われ、地元の小野生奈(28)=福岡・103期・A1=が華麗な逃げを決めてV。児島ボート担当で、女子選手担当でもない私は、一視聴者として中継で感動のシーンを見ていた。「敬礼~」。本番直前、ボートに乗り込む前に小野の声が響き渡る。ヘルメットの中の鋭い眼光も、集中力も画面を通して伝わってきた。司会はフィギュアスケートの名解説で知られるスポーツキャスター・八木沼純子さん。レースリプレイ解説時に発する「完璧」「素晴らしい」の合いの手が絶妙。番組全体が八木沼さんのフリー演技のプログラムのようにメリハリがあり、流れるような美しい進行だった。

 世界を舞台に活躍したアスリートの先輩を前に、小野は地元芦屋でG1初優勝を成し遂げた。レース直後のインタビューでは、よどみなく堂々たるコメント。「緊張はしなかった。地元芦屋で初めての優勝がG1。応援してくださった方々に恩返しができた。これからもっとボートレースを盛り上げていきたい」とトレードマークの元気いっぱいの笑顔。長い歴史を持つレディースチャンピオンの優勝者として名を刻み、さらなる高みを目指す強い決意がうかがえた。

 小野の魅力は実際に会うと心を射抜かれる。ファンへの接し方は神対応。ファンサービスに定評のある女子選手の中でもトップクラスだ。その人気は4年連続オールスター選出に表れている。昨年10月2日、小野の誕生日に児島ボート場内で行われたトークショーは、アイドルのイベント会場さながらの盛り上がり。若い男性は親衛隊風。子供を連れた若いママも多い。ファンからの質問コーナーで、小学生の男子が勇気を振り絞って小野に尋ねた。「どんな時が一番幸せですか?」。小野は少年にとびっきりの笑顔で答えた。「ボートに乗って走ることが一番の幸せです」と…。その言葉は少年の心に刻み込まれたはずだ。

 元気娘の小野だが、自他共に認める負けず嫌い。トークショーでは、昨年のレディースチャンピオン優勝戦2着を悔しがり、次は勝つと宣言。SGで結果を残すことを目標に掲げていた。

 そして今年、オールスターでは予選道中で女子初のSG3連勝、まるがめのオーシャンカップは準優3着。レディースカップでG1初制覇と存在感を示した。ファンの応援を力に、着実に階段を上っている。女子初のSG優勝も現実味を帯びてきた。(児島ボート担当・野白由貴子)

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