【ボート】山田祐也の躍進に期待

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 2016年の最優秀新人選手に選ばれた山田祐也(27)=徳島・112期・A2=が絶好調だ。昨年12月の平和島でデビュー初優勝を挙げると、次節の地元・鳴門でもV。完全に壁を破ったといえる。

 平和島では上位エンジンを手にして、優勝戦1号艇で迎えた。もちろん優勝には最も近い位置にいたが、レース、エンジン調整がかみ合っていないと、優勝はできない。山田はそこに至るまで、十分に経験を積み重ねていた。

 昨年11月の鳴門ではデビューして初めて優勝戦1号艇のチャンスが巡ってきた。インからコンマ08のトップSを決めながらも2号艇の井内将太郎のまくりにあって4着に敗れてしまった。

 続く多摩川では、その当時3カ月間使用して2連対率が4%にすぎない低調エンジンを引いた。「こんなの引きますかね…」とさすがにぼやいたが、「あきらめていない」と気を取り直して本体整備、ペラ調整を繰り返した。予選クリアはならなかったが、節間7走して2勝、2着1回の成績を残した。「自信になる。整備の面で勉強になった」とワーストエンジンの底上げに納得の表情を見せたのが印象的だった。この多摩川以降、3節連続優出、2節連続優勝へとつながっていく。

 出力低減エンジンが導入されて、どの場でも機力差が大きいことが顕著になっている。たとえA1でも低調機を引いてしまうと苦戦は必至、格下相手でもあっさり敗れてしまう。一方で、いくら上位エンジンを引いたとはいえ、機歴通りのパワーを引き出せるかは選手次第。そのあたりがボートレースの難しさ、面白さだ。

 優勝戦1号艇での優勝を逃した悔しさからS力、ターン力に磨きをかけ、また、低調機と格闘することで調整力をアップさせた山田。トップへの階段を順調に上がっている。勝ち運もつかんだ今なら、2017年のさらなる躍進が期待できそうだ。(関東ボート担当・渡辺和明)

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