【ボート】戸田の名物レースが面白い

 「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 今年も「本命バトル祭」がやってくる。戸田ボートで2010年から始まった企画開催で、7回目の開催が3日に幕を開ける。ポイント制で優出を争うが、予選はすべて「A1対B級5人」。今でこそ多くのレース場で似たような開催が行われることが増えたが、戸田ならではの面白さは他場では決してまねできない。私個人としても、どのSGよりも好きなシリーズだ。

 何より衝撃的だったのが1回目。“シード役”のA1には山崎智也を筆頭にSG級が勢ぞろい。ところが、ふたを開けてみたらSG覇者がコロコロ負ける。4日間の予選8走を全勝でクリアしたのは白井英治だけ。その白井も、優勝戦では3着に敗れた。B級には名が売れる前の水摩敦や桑原悠、深谷知博がいて、地元の黒井達矢や佐藤翼らと格上撃破を競った。3連単10万円オーバーも続出。とにかくインパクト絶大だった。

 2回目は逆にA1が勝ちまくり、優出6人を独占。市川哲也のVで幕を閉じた。3回目は優出ボーダーが9・00まで跳ね上がり、優勝戦では桐生順平が深川真二を壮絶なデッドヒートの末に退けるなど最後まで中身が濃かった。

 だが4回目以降はレベルが低下。予選を1つも勝てずに帰るA1も出るようになり、面白みも薄れた。 振り返れば、1回目でFに転覆と散々だった吉川元浩は、賞典除外後の戦いでも果敢に外枠からインを奪い、Sも踏み込み逃げていた。「級別の中で、一番差があるのはA1。SGを勝つ人と、適用勝率6・30では全然違う」と言う選手は多いが、吉川のようにプライドを見せてくれる選手も少なくなった。

 だが、今回は久しぶりに胸躍るメンバー。A1は石野貴之を筆頭に豪華な顔ぶれがそろう。一方のB級に目を転じると、三井所尊春や河合佑樹、深井利寿に渡辺俊介と“訳ありB級”の実力者がズラリ。1回目に劣らない激戦を期待できる。期間が1日短くなり4日間開催となるが、シリーズ初の完全Vが出るか、逆にこちらも初のB級優勝が出るか-。今から楽しみで仕方ない。

(関東ボートレース担当・浅野将之)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース記者コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(競馬・レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス