【競輪】コメントなしで予想する

 「競輪記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 函館記念の最終日。真っ青な空と海の香りに誘われたのだろう。わたしは新聞を片手に赤ペンを耳にはさみ、屋外でレースを観戦したのである。

 ホーム側のメーンスタンドに向かうと金網のファンから声をかけられた。函館のファンはとても気さくで、心の底から競輪が好きなのだと実感した。初対面でも一緒に推理をしながら楽しんでくれたり、競輪以外の話でも盛り上がった。

 競輪記者として長く全国の競輪場へ出向いたが、記憶の中で一番の思い出は福井のふるさとダービー。吉岡稔真の後ろで、中野浩一と井上茂徳が初めて競った。その頃は選手コメントもはっきりせず中野と井上が競るとは誰もが予想しなかった出来事で、場内は騒然とした。

 競輪ファンは並びを推理して車券を購入する。今のように全レース、全選手のコメントが果たして必要なのだろうか。ベールに包んだ方が魅力は倍増されるでしょう。

 選手も慣れて作戦を話し過ぎと感じるし、これから戦う相手と直前まで話をすることなど、昭和の競輪では考えられなかった-。

 かつての競輪のように、一度試しに選手コメント抜きで競輪をしてみたらどうでしょうか。(関東競輪担当・吉野みどり)

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