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　２０日に行われた優勝戦は１号艇の馬袋義則が、インから堂々と逃げ切って混戦に断。ＳＧ初優出の重圧をはねのけて、初のビッグタイトルを手にした。総理大臣杯初参戦で優勝の快挙を成し遂げ、同時に浜名湖笹川賞（５月２２〜２７日）への出走権をゲット。２着には白井英治が入り、３着は今垣光太郎。人気となった吉田拡郎は４着に終わった。

 

 

　地味な一般戦街道を歩んできた馬袋。ＳＧ覇者の称号は、どことなくこそばゆいものを感じさせるようだ。「初めてのことだから実感がわかないんですよ。エライことをしたんちゃうか、というのは分かりますが」。共同会見では人の良さを如実に表す柔和な関西弁が何度も爆笑を呼んだが、「そんな注目されるような選手じゃないのに」と照れるばかりだった。

　ＳＧの優勝戦に１号艇で登場。本来なら圧倒的人気となるところだったが、大舞台での経験不足やイン受難の水面特徴、そして吉田拡をはじめ伸び自慢がそろった組み合わせなどがあって、大きな支持は集めなかった。だが、戦ってみれば堂々のイン逃げ。白井や坪井らが襲いかかったが、気合の１Ｍ先マイで振り切ってみせた。

　失敗を糧にしてつかんだビッグタイトルだ。１０年１０月の江戸川周年記念で、優勝戦１号艇でＦ。「ごっつい迷惑をかけたので、とにかく無事故で結果を残そうと思って」。そう心に刻み戦った１１年シーズンは一般戦Ｖ７。これで今回の出場権を得た。「あれがあったから、今回につながった」と振り返る。

　これで笹川賞の出走権を得て、賞金王決定戦へもグッと近づいた。「目指してはいるけど、全く想像もしていなかったので分からない」と笑い、まだトップ選手という自覚はない。とはいえ、一線級で戦うための行動はしっかり取っている。ベスト体重は５３キロだが、今回は約４キロ絞って参戦。宿舎でもサウナに通い続けた。「これからも、せんといかんですね」。照れ笑いの中にも、大舞台で戦い続ける覚悟は感じさせた馬袋。今後は“主役”としての走りに注目だ。

魅せた気合の１Ｍ先マイ

　展示では吉田拡がピット離れで失敗して進入は１２４・５６３。本番では枠なりの１２３・４５６。白井がコンマ１１のトップＳを決めたが、１Ｍ手前で吉田拡と競り合う間に馬袋がインコースから先マイ。そのまま首位を譲ることなく逃げ切った。１周ＢＳでは激しい次位争いとなったが、２周ＨＳで白井が伸びで今垣を抑えて２番手追走。２周ＢＳでは今垣と吉田拡が３番手の競り合いとなったが、今垣が振り切って３着に入った。坪井、中島は見せ場なく５、６着に沈んだ。