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　４号艇の松尾昂明（２６）＝福岡・１００期・Ａ２＝が４コースから豪快にまくって、Ｇ１初優勝を決めた。新鋭王座史上初めてＡ２級の選手が栄冠を手にした。優勝した松尾は、ＳＧ総理大臣杯（３月１５〜２０日・戸田）への出場権を手に入れた。また、第２７回新鋭王座決定戦（９月２５〜３０日・徳山）への優先出走も決まり、９１、９２年の長岡茂一以来の新鋭王座連覇へチャレンジする。圧倒的人気を背負った茅原悠紀は２着に終わり、３着に大池佑来。３連単は１万２５０円の波乱となった。

豪快にまくった

 

　勝ち取ったタイトルの重みや、成し遂げた偉業を、自分の中で消化できない様子だった。「実感は全然わかないです。やってしまった、という感じ」と松尾。ゴールしてからも固まったまま。いわば放心状態だった。やっとガッツポーズが出たのは、ピットに戻ってからのこと。

　しかし戦いぶりは堂々としていた。枠なり２対４の隊形は大方の予想を覆すものだったが「土屋さんの５コースもあると思っていたし、大池が３カドに引いてもＳを決められないだろうと思っていた」と、想定の範囲内だったと振り返る。４コースからコンマ０６のトップＳ。１Ｍ手前までに内３艇を飲み込んで勝負を決めた。それでも「優勝戦は何が起こるか分からないし、まして追いかけてくるのが茅原さん。最後まで必死」と、ゴールまで手を緩めなかった。

　逸材が大挙ひしめく福岡勢だが、新鋭王座Ｖとなると０２年津の瓜生正義までさかのぼる。「僕なんかそんな選手じゃないけど、瓜生さんに追いつけるように頑張らないと」と、名を刻んだ歴史に恥じない精進を誓った。

　３月の戸田総理大臣杯でのＳＧデビューが決まった。カマシがバンバン決まる水面は、持ち味を発揮するのにピッタリだ。「今日と同じように、ダッシュから攻めていきたい」と意欲満々。勢いに乗ったＡ２戦士が、最高峰のステージでも大暴れしそうだ。

【優勝戦ＶＴＲ】

　Ｓ展示は土屋がスローの３コースへ動いたが、本番では枠なりの５コース。さらに３号艇の大池が３カドに引く１２・３４５６の並びになった。スリットで先制したのは松尾。コンマ０６のトップＳを決めると、そのまま内３艇を飲み込み１Ｍをまくった。２Ｍも冷静に回り優勝を確定させた。人気を集めたイン茅原はまくられる厳しい展開になったが、１Ｍを小回りで残して２着。３着は大池、土屋、池永の争いになったが、３周１Ｍで大池が土屋を振り切った。