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　湯川が史上初のグラチャンＶ３を達成―。大村ボートで開催された「ＳＧ・第２０回グランドチャンピオン決定戦」は最終日の２７日、１２Ｒで優勝戦が行われ、１番人気を背負った湯川浩司（３０）＝大阪・８５期・Ａ１＝が、インから押し切って４度目のＳＧ優勝を飾った。グラチャンは０７年戸田、０８年芦屋に続きＶ３。２着には平田忠則、３着に白井英治が入った。

２日目ペラ変更決断で脚一変

久々美酒に喜び爆発

　何度も右こぶしを握りしめながら、湯川はフィニッシュラインを駆け抜けた。引き揚げてきたピットで松井、田中ら大阪勢に拍手で出迎えられると、満面の笑みで喜びを爆発させた。「１号艇だったし、久しぶりにＳＧを勝つチャンスだったので緊張した」。その言葉とは裏腹に、コンマ０２のトップＳを決めた。１Ｍでまくりに出た白井、２Ｍでは逆転を狙った平田を競り落として、史上初となるグラチャンＶ３を達成した。

　初ＳＧを獲得した思い出の大会で、ひと回り成長してみせた。「今までの３回（のＳＧ優勝）は勢いでポンポンと取れたけど、今回は迷いながらでも勝てたのが大きい」。近況は出脚中心の仕上がりを求め、強力な伸びで活躍したかつての“快速王子”は影を潜めていたが、今節は２日目に以前のペラ形状にたたき替えて脚が一変した。「１年くらい前にここ（大村）で成功したので、思い切ってやってみた。これでひと皮むけたような気がします。これからは二刀流で頑張ります」。最近使っている出脚仕様のペラと、今回の伸びるペラを使い分けて今後は戦うつもりだ。

　今回の優勝で地元・住之江の賞金王決定戦出場に大きく前進した。それでも「これで妥協するつもりもないし、次ももちろん勝ちに行く」と早くも次の戦いに目を向けていた。相性抜群のグラチャンで輝きを取り戻した“ニュー快速王子”に今後も注目だ。

【湯川競り勝つ】

　Ｓ展示は１２４６・３５の進入。本番は萩原がダッシュに引いて、１２６・３４５に。湯川、吉川の１、２コースがトップタイミング。１Ｍは逃げ、差しの態勢も湯川がターンでやや流れる。１Ｍ出口では差した吉川、平田に、外マイした白井の４艇が並んだが、機力を生かした湯川がバックで１艇身先行。２Ｍは最内を走っていた平田がうまく内に切り込んだが、全速で旋回した湯川が競り勝って１着。２着は平田。２周１Ｍ、握った白井が追いすがる吉川をかわして３着に入った。