【京都記念】オンリー完全復活へ絶好走

 「京都記念・G2」(14日、京都)

 完全復活へ、ムードは絶好だ。ハーツクライ産駒ワンアンドオンリーは11日、栗東坂路で最終リハ。馬なりで力強い伸びを披露し、併走馬にきっちり先着した。2月末で定年となる橋口弘師にとって、一昨年のダービーで悲願のVを成し遂げた思い入れの強い一頭。このあとは、選出されれば昨年3着のドバイシーマクラシック・G1(3月26日・UAEメイダン)に向かう予定だ。14年神戸新聞杯以来の重賞Vで大きく弾みをつけたい。

 思惑通りのソフト調整だった。ワンアンドオンリーの最終リハは栗東坂路でスイフトアタック(3歳未勝利)と併せ馬。序盤はゆったりと運ぶと、ラストは持ったままで僚馬を引き離す。力強い脚さばきで4F53秒1-39秒1-13秒1を計時し、1馬身半の先着。脚色には余裕があり、追えばさらに突き放せたが、あえて力を“温存”した形だ。

 騎乗した担当の甲斐助手は「馬なりでしたが、いい感じですね。すごくきれいな走りでした」と満足感をにじませる。天皇賞・秋で16着に敗れて以降、実戦までに闘争心や力をため、レースで爆発させることに主眼を置いて調整してきた。橋口慎師は「先週はビッシリとやって、今週は馬なりで余力残し。予定通りだし、それでこの時計。具合は良さそう」と自然と頬が緩んだ。

 2月末で定年する橋口弘師は「このままでは駄目。本当の実力を見せてほしい」と反撃を期待する。前2走はジャパンC7着、有馬記念9着と結果は出ていないが、復調気配は感じている。「ここ2走はまともに追えていないだけ。今回は抜けた馬はいないし、十分に通用する」と言い切る。

 定年後、愛馬は3月に開業する息子の橋口慎厩舎に移籍。父ハーツクライが06年に制し、自身も昨年3着だったドバイシーマクラシックを目指す。「何であの馬が行くの?と、後ろ指を指されるようでは駄目。厳しく言えば、勝って日本を代表して行くくらいに思っている」。10戦ぶりの勝利をつかみ、人馬ともに“父子制覇”がかかる一戦に夢をつなぐ。

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