【ボート】兵庫・尾嶋 平均ST13

 「近畿地区選手権・G1」(6日開幕、尼崎)

 2016年の近畿No.1だ-。「G1・第59回近畿地区選手権」が、尼崎ボート場で6日から6日間の日程で開催される。大阪(住之江)、兵庫(尼崎)、滋賀(びわこ)、福井(三国)の4支部から厳選された49選手が出場する全国屈指の激戦区の頂上決戦。地区選で猛アピールする兵庫支部期待の尾嶋一広(28)を紹介する。

 地元兵庫からは15人が大挙参戦。地区選常連組が顔をそろえる中で、今回初出場を果たすのが尾嶋だ。2016年前期は5期ぶりにA1級に復帰。一時はB級まで落ちながらも見事復活を果たした男が、一回り成長した姿を地元の大舞台で見せつける。

 初めてA1級に昇格したのはデビュー5年目だった13年後期。「この時はいいエンジンを引いていたし、新鋭リーグを走っていて、勝率も稼げた。悪い例えをするなら、遊んでいてもA1になれたんです。今思うと天狗になっていたんでしょうね」と当時を振り返る。だが、その後新鋭リーグを卒業し、走る場所が一般戦になると、今まで通りの勝率を稼ぐことができず。またこの時期にけがをしたこともあり、勝率は自然と下がっていった。

 結果A1級を維持することができず、14年前後期はA2。15年前期ではついにB1級への降格が決定した。「A2に落ちた時も、本当に何も考えずに走ってました。でもB1に落ちると決まった時期に、一緒の節で走っていた山本(隆幸)さんに活を入れられたんです。“お前は考えが甘い”って。それで頑張ろうと思いましたね」。ようやく意識が変わった瞬間だった。

 その意識に自信が加わる出来事がすぐにあった。B1級に落ちて走る初めての節。15年1月の蒲郡だ。「そこで優勝戦に乗って。展開とかもあって(インコース発進ながら)優勝はできなかったけど、B1に落ちてもまだまだできるやんって。そこでつかめたかな」。再び上の舞台で戦える-。自分自身を信じることができたきっかけとなった。

 改革の第一歩は、平均STを速くすることだ。「出走表の平均STのところに“13”って書いてあると、一緒に走る選手も嫌がる」と思い目標を設定。16年前期は有限実行の“13”を達成し「これは武器にできるし、これからもキープできるようにしたい」と力強く語った。

 紆余(うよ)曲折をへて再び最高ランクのA1級に返り咲いた。「今回は初めての時とは明らかに違う」と自ら分析。もともと特定の師匠を持たないため、メンタル面やペラ調整の面で、師匠を持つ他の選手とは少し違った環境に身を置いている。「一緒に斡旋になった先輩とかにはもちろんいろいろアドバイスはもらいます。でも基本的には全て自分の責任でやってきて、結果に結びついた。それが今の自信につながっているし、今回が本当のA1だと思っています。これを続けていけたら本物になる」とキッパリ。自信がみなぎる表情を見ると、どこまで上り詰めていくのか楽しみでさえある。

 新鋭王座以外では初のG1となるのがこの近畿地区選。「相手は強いけど、やることは決まっている。昨年末に走っているからアドバンテージはあると思う。成績がいい、悪いは関係なく何かをつかんで帰りたいですね」とニヤリ。今度はどんな“きっかけ”をつかむか。戦う武器と、揺るがない自信を手にした若武者の走りに目が離せない。

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