【阪急杯】Mデムーロいきなり重賞V

 「阪急杯・G3」(1日、阪神)

 イタリアの名手がいきなり魅せてくれた。“JRA所属騎手”としてデビューしたM・デムーロが、ダイワマッジョーレをこん身の手綱さばきで導いて重賞ゲット。自らの門出を鮮やかに飾ってみせた。鼻差2着に4番人気のミッキーアイル、さらに首差3着に9番人気のローブティサージュが入った。

 泥まみれになった36歳の“新人”が、こん身のステッキで相棒をVに導いた。水の浮く不良馬場をモノともせず、2番人気のダイワマッジョーレが大外を強襲。「ドリーム(夢)みたい。本当にうれしい!」。この日、JRA所属騎手としてデビューを果たしたM・デムーロが喜びを爆発させた。

 スタートこそひと息だったが、じわじわとポジションを上げて中団の外へ。右から左へステッキを持ち替え、闘魂を注入すると、ゴール前でグイッとひと伸び。ライバルを鼻差とらえた。「最後は(届いているか)分からなかったけど、良かった」と振り返る。免許取得後の初勝利を3Rで挙げると、7Rで2勝目をマーク。3勝目は豪快な重賞Vで自らの門出を祝った。

 見届けた矢作師も破顔一笑だ。「“ミルコ・マジック”だね」。10年朝日杯FSをグランプリボスで勝ち、厩舎にG1初勝利をもたらしたイタリアの名手への信頼は一層、揺るぎないものとなった。「彼の記念すべき日に重賞を勝たせてあげられて良かったよ」とうなずいた。

 マッジョーレの大目標は安田記念(6月7日・東京)だが、優先出走権を得たことで、高松宮記念(29日・中京)への参戦プランも浮上。相棒を出世街道に乗せたM・デムーロ自身も、ドバイシーマクラシック(28日・UAEメイダン)でワンアンドオンリー(当初はルメールを予定)への騎乗を打診されるなど、周囲の期待は増すばかり。最高のデビューを飾ったイタリアンは、今後も巧みな手綱繰りで日本競馬界を盛り上げていく。

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