【有馬記念】嵐起こすインパクトの勢い

 「有馬記念・G1」(28日、中山)

 14年の中央競馬を締めくくるグランプリウイークが幕を開けた。近年まれに見る超豪華メンバーに囲まれては、伏兵視されるのも仕方がない。しかし、目下G2を2連勝中の勢いを侮っては痛い目に遭いそうだ。4歳馬ラストインパクトが主役の座を虎視たんたんと狙っている。

 21日朝は栗東坂路で調整。この馬らしい、柔らかみのある脚さばきで4F69秒4-16秒4を計時した。「ここまでは順調。特に変わったことはせんよ。そら、今さら変えようがないわな」と松田博師は笑顔をのぞかせた。

 充実一途を示すレース内容だった。前々走の京都大賞典は道中で3番手に控え、先に抜け出す2着馬をゴール前できっちりととらえてV。パワーアップぶりを印象付けたが、さらに圧巻だったのは前走の金鯱賞だ。中団から豪快に伸びて、抜け出してからは遊ぶ余裕を見せながらレコードV。「掛かるところもなかったし、完璧なレースぶりだった」と師は満足げに振り返る。

 近親には94年覇者のナリタブライアンを筆頭に、ビワハヤヒデ、ファレノプシス、キズナとG1ウイナーがズラリ。血統馬が、暮れの大一番を前に完全に開花した。「素質があるからといって、最初から走るわけではないから。良くなるのをジッと待たないと。今はケイコでも動くようになったし、馬自体がしっかりとしてきたな」。鞍上は、トレーナーから直々に指名された菱田。デビュー3年目の今年は64勝を挙げるなど、着実に飛躍を遂げている。伸び盛りの人馬が波乱を巻き起こすか。

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