【マイルCS】クラレント 力強さ披露

 「マイルCS・G1」(23日、京都)

 悲願のG1制覇へ。マイル重賞5勝の実績を誇るクラレントが19日、栗東坂路で力強い動きを披露。サマーマイルシリーズを優勝した夏の勢いをそのままに、万全の仕上がりでG1獲りを狙う。Vなら、ダイワメジャー、ウオッカを抜き“芝マイル重賞”単独トップとなる6勝目をマーク。2戦2勝と好相性の田辺とコンビを組み、6度目のG1挑戦でVをつかむ。

 今年のサマーマイルシリーズ王者に輝いたクラレント。その馬券の取捨は“状態面”の一点に尽きるだろう。マイル重賞5勝のレース巧者で、実力は既にG1レベル。ただ、猛暑にレースを使っただけに、馬体の疲労が心配だ。輝きを放った夏の状態を取り戻せるかが最大のポイントとなる。

 前走後は鳥取県の大山ヒルズへ短期放牧へ。英気を養い、G1の舞台に照準を合わせてきた。橋口師は「放牧先でもずっと調教はつけていましたから。先週は田辺ジョッキーも来てくれて好感触を得てくれた」と順調さを強調する。

 最終リハは、それを証明する場となった。栗東坂路。後半のハロー(馬場清掃)間際にカレンバッドボーイ(4歳500万下)と併せた。テンからしまいまで、抜きつ抜かれつの攻防を演じ、ほぼ併入でゴールへ。4F53秒5-39秒5-13秒4とタイムは平凡だが、馬場の傷んだ時間帯を思えば悪くない数字だ。

 指揮官は「先週(4F52秒2)ほど速い時計ではないが、状態面に陰りはない。前走時も最終追いは(4F)55秒台だった」と内容に合格点。夏との比較でも「同じぐらいですね。今が一番充実しています。いかにも“私はオープン馬ですよ”といった体をしていますから」と万全の仕上げに胸を張った。

 セールスポイントは「競馬センスの良さ。スッと好位につけられる。見ている方も安心。納得のいくレースをしてくれる」とうなずく。右回りを懸念する声もあるが「以前は(右回りで)舌を出していたが、今は舌を縛っているから」と意に介さない。「かなわないような強力な馬は、私自身には見当たらない。ここらでG1のタイトルが欲しいね」-。悲願達成へ、機は熟した。

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