【天皇賞】イスラVデモ ルメール絶賛

 「天皇賞(秋)・G1」(11月2日、東京)

 戴冠へ、機は熟した。皐月賞馬のイスラボニータが29日、美浦Wで最終リハを敢行。新コンビ・ルメールがまたがり、軽快なスピードを披露した。02年シンボリクリスエス以来、12年ぶりの3歳馬Vへ突き進む。栗東坂路ではG1・7勝目を狙うジェンティルドンナが活気あふれる動きで臨戦態勢を整えた。なお、30日に出走馬と枠順が確定し、馬券は31日に一部ウインズで前々日発売が行われる。

 完璧だ。古馬撃破も夢ではない。3歳馬イスラボニータが文句なしの動きで最終追い切りを完了した。

 坂路を軽く1本駆け上がってから、ハロー(馬場整地)明けの美浦Wへ移動。背中には新たにコンビを組むルメールが乗っている。僚馬トウカイチャーム(6歳500万下)を5、6馬身追走する格好でスタート。ゆったりとしたフットワークで徐々に差を詰めると、直線では内へ潜り込む。「追いだしてからの反応を見てほしかった」という栗田博師の指示通り、無駄な動きをすることはなく、手綱は持ったまま。抜群の伸び脚であっさり併走馬をとらえると2馬身先着した。

 5F67秒0-37秒4-11秒8のタイムに、馬から下りてきた鞍上は「いいですね。すごく乗りやすい馬。(前の馬を)つかまえに行く時もスムーズだったし、かわした時も素晴らしい脚だった」と絶賛の言葉を並べた。これには指揮官も「リップサービスもあるんだろうけどね」と苦笑いだが、その表情は満足げだった。

 DVDで過去のレースをチェックしたというルメールは、パートナーを歴史的名馬になぞった。「ディープインパクトみたいに素軽いのに力強さがある。苦労して動くんじゃなくて、自然と加速して行く感じ」。ファーストコンタクトで、すっかりお気に入りの様子だ。

 狙うは12年ぶりの3歳馬V。「落ち着いているし、ここまですこぶる順調にこられた。今の状態でどこまで(古馬に)通じるのか見てみたい。熱い気持ちでいるんだ」と指揮官が言えば、ルメールも「斤量面でもアドバンテージがあるし、賢い馬で能力も高い。見劣るところはないよ」とキッパリ。大一番で一線級の古馬を撃破する。

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