【菊花賞】オンリー2冠へ負けられない

 「菊花賞・G1」(26日、京都)

 ライバル不在のここでは負けられない。秋初戦のセントライト記念Vで好スタートを決めた皐月賞馬イスラボニータが、天皇賞・秋へ矛先を向けた。断然の主役へと躍り出ることになったのがダービー馬ワンアンドオンリーだ。神戸新聞杯を制して、盤石の態勢でラスト1冠に挑む。

 「(イスラボニータは)出てきたら、当然一番気になる存在だったからね。戦いたかった?いや、そりゃ出てこない方が良かったよ」。冗談交じりに笑みを浮かべる橋口師だが、「これで1番人気だろうし、ダービー馬だから、負けたらあかん」と表情を引き締めた。

 前走は不安もあった。直前の装鞍所で暴れて、蹄鉄がずれるアクシデント。何とか打ち直すことに成功したが、「正直言って心配だった」と指揮官は顔を曇らせている。競馬そのものも、ゴール前で外から2頭に強襲される苦しい態勢。それでも差し返して、勝ち切った。その姿に「すごい勝負根性」とあらためて底力を再確認した。

 何が起こるか分からないのが競馬。実際、秋華賞では単勝1・5倍のヌーヴォレコルトが2着に敗れたばかり。「先週みたいなこともあるし、野球みたいなこともあるし…」。大ファンの巨人軍がまさかの4連敗を喫したこともあって、少し元気がない橋口師だが「ダービーの状態にはあると思うから、みじめな競馬にはならない」と堂々と受けて立つ。2冠をもぎ獲り、来年は海外挑戦へ。夢を膨らませるためにも、落とせない一戦となる。

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