【神戸新聞杯】オンリー接戦制しV

 「神戸新聞杯・G2」(28日、阪神)

 壮大な夢に、また一歩近づいた。単勝1・6倍の断然人気を集めたワンアンドオンリーが好発進。見た目は頭差の辛勝ながら、ダービー馬の貫禄、そして地力を見せつけて秋初戦を制した。2冠の懸かる菊花賞(10月26日・京都)へ、そして来年予定する海外遠征の実現へ向けて、着実に歩を進めていく。2着には8番人気のサウンズオブアース、3着に9番人気のトーホウジャッカル、2番人気のサトノアラジンは4着に終わった。

 これがダービー馬の底力だ。ワンアンドオンリーが直線の激しいたたき合いを制し、秋初戦を見事に飾った。

 世代の頂点に立った時のような、好位からの競馬ではなかった。「ダービーがビックリするぐらい(ゲートを)出たからね。これがいつもの彼の姿」。横山典が振り返るように、道中は後方から4頭目のポジションを進む。うまく折り合いをつけた人馬は、脚をためながら仕掛けのタイミングを待った。

 進出開始は3コーナー手前だ。馬群の外をまくり、手綱を押さえたまま先頭集団へ取り付くと、直線は左ステッキに反応。ただ、先頭に立ってからも息の抜けない展開に。外からダービー馬めがけて2頭が強襲する。手に汗握る3頭によるゴール前の攻防を最後は力でねじ伏せた。「並んでからも最後まで抜かせなかった。大したものです」。胸を張った主戦は、豪快なロングスパートに「(長くいい)脚を使いましたねえ。ローカル競馬並みに早くから動きました」と笑顔をのぞかせた。

 「いや~疲れたよ」。わずか頭差の接戦に橋口師は肝を冷やした様子。「負けパターンですよね。ダービー馬だから勝たなイカンと思っていたから。でも勝利は勝利。意地を見せた」と安堵(あんど)した。

 予期せぬアクシデントがレース前に起こった。もともと装鞍所でうるさい面を見せるが、休養明けの影響から、いつも以上に激しかった。「蹴り上げて落鉄した。打ち直しにも時間がかかった。緊張感もあったんだろう。でも、次はこういう出来事も半分で済むと思う」。指揮官は本番に向けて期待を込めた。

 もちろん、次は菊花賞へ。「距離が延びても掛かることはない」。橋口師がそう言って長丁場の適性を口にすれば、横山典も「使って良くなるタイプ。このあとまたアップしてくれると思う」と上積みを強調した。2冠へ、そしてその先に見据える海外遠征をにらみ、ダービー馬が王道を突き進む。

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