【クイーンS】夏女アロマティコ躍動

 「クイーンS・G3」(3日、札幌)

 待望のタイトル奪取へ向けて、アロマティコが7月31日、函館Wで躍動した。直線では同馬の癖である舌こそ出していたが、鞍上・三浦のゴーサインに応え、重心を沈めて一気に末脚を伸ばした。

 北の大地で“夏女”が躍動した。巴賞Vで勢いづいたアロマティコが、函館Wでダイナミックな動きを披露した。

 掛かることなく、4角までスムーズに運ぶと、スタンドで見守る佐々木師から「よしよし、これはしまい伸びるな」と声が漏れる。その言葉通り、重心を沈めて一気に末脚全開だ。癖である舌は出していたが、5F67秒9‐38秒4‐12秒6の好時計でまとめた。

 騎乗した三浦も納得の表情だ。「折り合い重視で乗りましたが、単走でこれだけ動ければ十分でしょう。前回(巴賞)の追い切りより、コンタクトが取れたし、なじんでいる感じがあります」と手応えを口にした。

 自身もこの夏は、函館開催のリーディングを奪取するなど、存在感を示している。「関係者のおかげですが、素晴らしい先輩方がいる中で(リーディングを)取れたというのは自信になりました。これからも(三浦を)乗せて良かったと思われるレースをしたい」と意欲的に語る。

 今回の札幌参戦で、JRA全10場走破となるアロマティコは、これまで7、8月では3戦3勝の実績を残している。今回は休み明けをひと叩きされた上積みもあるだけに、「秋はG1へ行く馬だし、ステップレースで結果を出していい形で行きたい」と、早くも三浦は大舞台を見据える。

 「秋華賞やエリザベス女王杯で3着がある馬だし、どこかで(重賞を)勝たせたいと思っていた。今回決めたいね」と佐々木師。不思議と重賞には縁がない(10戦未勝利)が、地力は確かだ。秋に弾みをつけるためにも、まずは“北都の女王”の座を手にしたい。

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