【函館記念】ブーシェ“函館の男”V

 「函館記念・G3」(20日、函館)

 豪快な走りで勲章をつかみ取った。“恋なんていらない”という意固地な馬名とは裏腹に、勝利の女神に愛されたのは2番人気のラブイズブーシェ。「馬がよく頑張ってくれました」。古川が心地良さそうに汗を拭った。

 スタートで出負けし道中は後方4、5番手。好位追走という当初のシナリオは崩れたが、慌てることはなかった。「ペースが流れたので、向正面で思い切って出して行きました」。手応え良くまくって先団へ進出。直線で難なく先行勢をとらえると、後続の追撃も3/4馬身差でしのぎ切った。「長く脚を使えるので、自信を持って動きました」と鞍上はしてやったりの表情だ。

 洋芝の函館は昨年に1000万下、準オープンを連勝し、この日の勝利で5戦3勝、3着1回に。昨年の有馬記念4着馬が、得意舞台で、その地力をいかんなく発揮した。「ここまで強い競馬ができるとは…。想像以上です」と村山師は勝ちっぷりに舌を巻く。

 “Dr.コパ”こと小林祥晃オーナーも満面の笑みだ。同じ村山厩舎のコパノリッキーでフェブラリーSを制したのを皮切りに、今年はJRA重賞4勝目。「今年は5と8がラッキーナンバー。(フェブラリーSの)コパノリッキーが5+8で枠は13番、(高松宮記念の)コパノリチャードが5番。今回は8‐(マイナス)5で3番だったからね。勝つと思ったよ」と得意げに声を弾ませた。

 次走は札幌記念(8月24日・札幌)。函館に残って調整し、10着に敗れた昨年の雪辱を期す。「馬が完成してきている」と指揮官が腕をまくれば、オーナーも「札幌は方位がいいね」と意欲満々。ひと皮向けた5歳馬が、勢いに乗ってサマー2000シリーズ王者を目指す。

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