たかみな“最後の夢”もう一度レコ大

 思い出のシーンを写真で振り返り笑顔のAKB48・高橋みなみ=東京・アクアシティお台場(撮影・開出牧)
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 AKB48・高橋みなみ(24)の、旅立ちの日が迫っている。12月8日に迎えるAKB劇場デビュー10年の節目をめどに卒業することを、昨年12月に発表。ラストイヤーに全力を注いできた。1期生として、グループ総監督として積み重ねてきた10年間を振り返ると、思い出は尽きない。残りわずかとなったアイドル人生で成し遂げたい“最後の夢”とは-。

 2005年12月8日、観客が7人しかいなかった秋葉原の専用劇場で迎えたデビュー公演から、間もなく10年。AKBでの青春も、いよいよラストスパートに入った。『在籍ラスト』という冠を伴う活動に取り組む日々が続く。2種類ある握手会のうち、ファンがメンバーを選べる個別握手会への参加は、10月25日に終了した。

 「10年間やってきたイベントがひと区切りついたので、感慨深くて。(大島)優子に会ったとき、『個別終わったんでしょ、お疲れさま』と言ってもらえたのはうれしかったですね。握手会の大変さはメンバー同士しか分からないので。今はさみしさもワクワク感もあります。期限が決められてるから楽しめるところもありますし。これまではずっと、先が見えない中を突っ走ってきたので」

 12月9日に発売される新曲「唇にBe My Baby」が高橋の卒業シングルとなり、単独センターを務めることも決まった。前田敦子、大島優子らが受け継いできた立ち位置『0』。高橋にとっては、2006年2月発売のインディーズデビュー曲「桜の花びらたち」以来の大役だ。

 「人によっては『去る者はセンターをやるなよ』と言う人もいるでしょうが、やらせていただくからには最後、本当の意味で後輩に背中を見せられる。今まで色んなセンター見てきて『あんなプレッシャーあるところに立ちたくねぇな』と思ったこともありましたが、10年間見てきたものをこのセンターにぶつけて、楽しめればいいんじゃないかな」

 18日発売のベストアルバム「0と1の間」には歴代シングルをすべて収録。箸にも棒にもかからなかった少女たちが、誰もが知る人気アイドルに進化するまでの、10年の歩みが詰め込まれた。高橋も、AKBでの活動を振り返るにあたって、転機となった曲をいくつか挙げた。

 「最初は秋元康さんプロデュースということで脚光を浴びたものの、実質的人気はまず7人から始めなければいけないという壁がありました。秋葉原を拠点としてるから、萌え系とかいろいろ言われた時期もありましたが、人の見る目がちょっと変わったのは『大声ダイヤモンド』(08年10月発売)だと思うんです。CMで流れたのを聞いたりして、AKBの曲っていいかもと思われたのはそこかな。いい空気だなって感じました」

 10枚目のシングル「大声-」は“起死回生”の一撃だった。前作「Baby!Baby!Baby!」は、CDとしては発売されない配信限定曲。レコード会社との契約も切れていた。「大声-」はちょうど、現在所属するキングレコードからの、再出発となる勝負作でもあった。

 「死ぬほどきつい時期でしたが、『RIVER』(09年10月発売)で初めてオリコンチャート1位を取らしてもらって、周りの対応も変わって。『Beginner』(10年10月発売)で初のミリオンを記録して、やっと『秋葉原48』じゃなくて『AKB48』と言ってもらえるようになりました。『秋元康プロデュース秋葉原発アイドル』と紹介されてたのが『国民的アイドル』に変わっていって、『えっ、国民的なん!?』と実感はなくて恐れ多くても、とにかくうれしくて」

 抜群のリーダーシップを発揮し、「国民的」と呼ばれるようになったグループをけん引してきた。コンサートの開演前には、円陣の中心で声を張り上げてきた。そんな日々に、間もなく終わりが訪れる。AKBとしての最終活動日は未定ながら、後輩を叱咤(しった)激励する機会は残すところ、数えるほどになった。

 「メンバー全員に共通認識を持たせることは難しいと、この10年ですごく学びました。見てる人は見てるし、盗む人は盗むだろうし、そういうのでいいと思う。私の何かをたたき込むというのはないので、彼女たちには自分らしさを見失わないように活動してほしいだけです。自分が最初、何をやりたくてAKBに入ってきたのかっていうことさえ忘れなければ、見失わなくてすむと思うから」

 AKB加入前から、高橋にはやりたかったことがある。母親の影響で幼いころから聞いていた中森明菜に憧れ、10年前に芸能界へと飛びこんだ。アイドル生活にピリオドを打った後は、初志貫徹で歌手の道へと進む。

 「ソロになっても、人と交流して笑顔にすることに重きを置いてやっていきたいです。武道館にはじゃんけん大会とかいろんなふうに立たせてもらいましたが、いちアーティストにとって素晴らしい場所。いつかは立ちたいと思ってます。『元AKBの、この勢いで立っちゃえ!!』みたいなのではなくて、ゆっくりきちんと階段を上りたい。たとえ一時的に『たかみな消えた』と言われようとも、『消えてねぇし』と思いながら、ちゃんと力をつけていきたいな」

 AKBでやり残したことは-。締めくくりの質問に「ないっ!!」と力強く即答した。続けて「活動最終日が決まってないので、自分はどこまでいられるか分からないですけど、欲を言えば…」と前置きしてから、AKBの一員としての“最後の夢”を打ち明けた。

 「もう1回、レコード大賞を取りたいです。2回取らせてもらいましたけど、『紅白初めて出るんです』という子も毎年いて、実は見えない形で世代交代していて、レコード大賞を取ったことない子もいるので、今のメンバーで取りたいな」

 11年に「フライングゲット」、12年に「真夏のSounds good!」で手にした栄冠。受賞発表は12月30日に行われる。「グループでみんなと葛藤しながら、一緒に喜び一緒に泣いてという甲子園感は、1人になるとないと思うんです」。仲間と流す“3度目のうれし涙”が、最高の卒業祝いとなる。

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