SMAP初「のど自慢」、異例の握手会
SMAPがこのほど、東日本大震災で被災した岩手県山田町で、NHK「のど自慢」のスペシャル版、NHK総合「SMAPプレゼンツNHKのど自慢in山田町」(9月26日、後7・30)の収録を行った。
SMAPが「のど自慢」に出演するのは初めて。約600人の来場者を握手会で出迎えたほか、被災者の生活に触れるなど、歌だけでなく異例づくしの心温まるふれ合いを展開。復興を目指す町へ元気と笑顔を届けた。
思いも掛けない国民的グループの出迎えに、訪れた人々は誰もが驚きの表情を浮かべ、大きな歓声を上げる。中には感激で泣き出す人もいた。
会場となった山田町中央公民館。SMAPは、続々と訪れる600人と、1人ずつジッと目を見詰め、両手で握手を交わす。「限られた時間、自分たちに何ができるか考えた」とは木村拓哉(42)。SMAPにとって握手会自体が極めてレアケースだが、今回はメンバーが申し出たサプライズだった。
東日本大震災からの復興を目指す山田町。震災から5回目の夏を迎え、歌で安らぎや元気を届けるために同町での「のど自慢」特番が企画された。今年、「のど自慢」放送開始70年。SMAPは、その記念キャンペーンの顔を務める縁で出演が実現した。
普段は大都市のドーム公演が中心のSMAP。この日はわずか600人収容の小さな会場だったが、熱気はドームにも劣らなかった。番組の盛り上げ役はもちろん、合格者とは一緒に喜び、残念な結果には健闘をたたえ一緒に悔しがった。最後は、代表曲のメドレーを客席に降りて歌うなど、異例ずくめの1日となった。
本番前日の予選審査員も務めた。本番前にはメンバーが3組に分かれ、漁師の作業を体験したり、子供たちにダンスレッスンをしたり、仮設住宅を慰問しカラオケを楽しんだ。
前を向いて必死に生きる被災者と触れ合った木村は「逆に励まされ、力をもらった」と振り返った。中居正広(43)も「あらためて歌は音程じゃない。気持ちが大事と感じた」と、メンバーにとっても実りある機会となったようだ。
メンバーで、唯一、「のど自慢」の出演経験があるのが香取慎吾(38)だ。「自分も出演して感動する部分が多く、音楽っていいなとあらためて感じた。他のメンバーにも早く味わってほしかった」とメンバーそろっての出演を楽しみにしていただけに、今回、他のメンバーの口から同じような感想が飛び出し、満足げだった。「またみんなが来てくれたら、出場者の強い味方になる」とさらなる共演を呼びかけた。