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“歌う尼さん”やなせ、受け継がれる願い

 コンサート後のサイン会で、笑顔でファンとふれ合うやなせなな=奈良市のなら100年会館
 コンサート後のサイン会で、笑顔でファンとふれ合うやなせなな=奈良市のなら100年会館

 シンガーソングライターのやなせなな(34)が6日、奈良市のなら100年会館・中ホールで、3枚目となる新アルバム「願い」の発売記念コンサートを行った。2年ぶりとなる待望の新作で、会場には待ちわびていたファンが詰め掛けた。

 浄土真宗の僧侶という肩書きも持つ異色の“歌う尼さん”は、この作品に「心から心へ受け継がれてゆくもの」を込めた。「人が死んでしまっても、物が壊れてしまっても、それで終わってしまうわけじゃない」。人間の生死と向き合う尼僧ならではの感性で、繋がってゆく大きな命の輪を表現した。

 アルバムの表題曲「願い」ではレコーディングの際、廃校になった自らの母校の音楽室を訪れ、残されていた足踏み式オルガンの音を使用した。「あの場所で、あのオルガンを使うことに意味があった。ふるさとへの愛情と、心の中で生き続けている思い出を込めたかった」という。

 戦争や自然破壊、死んでゆく者の思い、取り残される者の悲しみ…。ちょっと「重い」と感じるテーマの曲もやなせが歌えば、お寺で聞く説法のような説得力を持つ。コンサートではあふれる涙をぬぐう観客も多く見られた。人と人のとの関係が希薄になりつつある時代だからこそ、やなせの歌声が心に強く響いてくる。

 新アルバムはやなせの公式HPで試聴可能。URLは「http://www.yanasenana.net/」。






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