吉村知事「医療界も有事への切り替えを」 病床確保要請へ 国会議員に本質議論求める

 大阪府の吉村洋文知事が14日、府庁で囲み取材に応じ、新型インフルエンザ対策特別措置法31条に基づき医療機関の管理者に対し、新型コロナウイルス患者の病床確保を要請する考えを改めて示した。同条に基づく要請は、実施すれば全国初となる。

 改正後の特措法31条は、知事が医療関係者に患者への医療を行うよう要請できるとしている。正当な理由なく拒否した場合、これまでの協力要請より強い、文書での「指示」が行える。

 吉村知事は「医師会、私立病院協会の皆さんと協力していかないと。我々、評論家ではありませんので、協力関係のもと、広げていくのが前提」と強調しながらも、「病床が厳しいのは間違いないので、スピード感をもって判断していきたい」とした。

 医療関係者への要請を定めた特措法31条や、病院など公的機関への指示を規定する同33条2項を使って病床確保を「指示」するとなれば、特措法に基づき要請する全国初の事例となるが、「この声は多分、医療業界からは出てこない。知事が、誰かが旗を振らなきゃいけない」「みんなにいい顔できる状況ではありませんので、みんながそれぞれ少しずつ、医療全体の資源の中で、協力しながら乗り切っていかないと」と険しい表情で語った。

 元弁護士の吉村知事は、特措法ではあくまで「強制力はない」のを承知の上で、「正当な理由があれば拒否できますけど、正当な理由がなければ『指示』できる」と解釈を示した。一方で、「本当に強制力があって強いものか、というと、そういうものにもなってない。本当は国会で議論してもらいたいとこなんです、特措法の権限とか…。そこはなかなかみんな踏み込まない。僕の言葉の揚げ足とりに一生懸命になってる国会議員さんはいますけど、そういう本質には、なかなか踏み込まない」と国会で「本質」の議論がなされていないことにもどかしさも口にした。

 そして「緊急事態宣言だされた有事ですから。法律に基づいて、ムチャなお願いもします。平時から有事への切り替えをやっていかないと、医療界も含めてお願いしていかないといけないと思ってます」と緊急事態という有事での“要請”に理解と協力を求めた。

 府によると、コロナ対応をしているのは公立、公的病院が大半。医療レベルから受け入れ可能とされる病院のうち、約110は受け入れておらず、12月下旬にこれらを含めた約200の医療機関に対し、軽症・中等症病床を新たに1床確保するよう要請したが、応じたのは約10病院で計約30床にとどまっている。

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