安田純平氏が指摘「身分証明書である旅券」発給の是非を政権が判断するのは独裁国家

 内戦下のシリアで約3年4カ月拘束され、2018年10月に解放されたジャーナリストの安田純平氏が13日、ツイッターに連続投稿。外務省からパスポート発給を拒否されたのは「外国への移動の自由を保障する憲法に違反する」として国に発給を求めて東京地裁に提訴したことが12日に報じられたが、この日は「身分証明書」でもあるはずの旅券発給の是非を個人の信条等によって政権が判断することへの危機感や、「自己責任論」の矛盾点などを指摘した。

 安田氏は「例えば自動車運転は安全に運転するための技術と知識があるかどうかという後天的な能力に対して免許が出るが、旅券は日本国籍という“先天的”なものに対して発給されるのであり、『日本国民としてふさわしいか』を時の政権が判断して発給の是非を決めるようになったら完全に独裁国家になってしまう」と、個人の考え方によって国家が“審査”することへの違和感を表明した。

 同氏は「つまり、旅券は『出国許可証』ではなく身分証明書」と、国籍を有する者が当然、手にすべき権利であることを訴えた。一方で「ちなみに、私が旅券発給申請をしたのは欧州やインドへの家族旅行のためであって、紛争地を取材するなどとは一言も口にしていないし、渡航先はそういう地域でもない」とも付け加えた。

 また、安田氏は「『戦場に勝手に行ったのだから自己責任』と私に言ってきた人たちは『身代金が払われた』に対しても『自己責任なのだから』と政府を批判しなければ矛盾する。しかしそれも皆無」と指摘。「彼らは本当は『自己責任だ』などとは思っていない。実際は『日本国民は日本政府の指示に黙って従え』という自己責任否定論」「『日本国民は日本政府の指示に黙って従え』の人たちにとっては政府は万能の神のような存在なので、万能を否定する事実は認めたがらない」と、自身を批判する声の“本質”を分析した。

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