和田誠さん死去 83歳 日本を代表するイラストレーター 平野レミ「安らかにね」

 日本を代表するイラストレーターで、アニメーション作家、絵本作家、映画監督、エッセイストなど幅広く活躍した和田誠さんが7日、肺炎のため東京都内の病院で死去したことが11日、和田誠事務所から発表された。83歳。大阪市住吉区出身。通夜、告別式は近親者のみで執り行われた。後日、お別れの会を開く予定。

 妻で料理愛好家の平野レミによれば、和田さんは1年ほど前から体調を崩して自宅で療養しており、7月から入院していた。「肺炎を患い、最後は家族みんなに見守られながら、安らかにお別れをしました」という。

 平野は「肺炎を患ってからはご飯を食べられなかったので、和田さんが好きなご飯をたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました。最後の料理を作っている時はすごく幸せで、『私にとっての一番の幸せは、和田さんにご飯を作ることだったんだ』と改めて気付きました。47年間、私の料理を美味しい美味しいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」とコメントしている。

 和田さんは1936年生まれ。57年に第7回日宣美賞を受賞。60年、タバコ「ハイライト」のパッケージをデザイン。65~95年に雑誌「話の特集」のアートディレクターを担当。77年から週刊文春の表紙絵を担当。星新一氏、村上春樹氏などの著作の表紙も数多く手掛けた。84年には監督デビュー作となった映画「麻雀放浪記」が高く評価された。映画、音楽、舞台などエンターテインメントに造形が深く、「お楽しみはこれからだ」など多くの著書がある。

 平野さんとは72年に結婚し、75年に長男、79年に次男をもうけた。長男はロックバンド・トライセラトップスのメンバーで、女優・上野樹里の夫の和田唱。

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