ＮＨＫから国民を守る党（Ｎ国）の立花孝志党首（５２）が８日、都内で緊急記者会見を開き、１０日告示の参議院埼玉県選挙区補欠選挙（２７日投開票）への立候補を発表した。７月の参院選比例代表で初当選したばかりだが、告示日に自動失職する。これに伴い、同党の浜田聡氏（４２）が繰り上げ当選することになり、Ｎ国として議席を確保した上で新たな選挙に臨むという“戦略家”の面も見せた。

　“衝撃”の初当選からわずか８０日弱で新たな衝撃を起こした。異例のくら替えに挑む立花氏は「勝てる選挙」と力強く語った。

　大野元裕埼玉県知事（５５）の辞職に伴う補選で現状、無所属で出馬する上田清司前知事（７１）以外に有力候補はいない。立花氏は「（Ｎ国以外の）８個の公党が、上田前知事に対して対立候補を立てない。どうして与党と野党が１人の候補者しか出さないのか」と、各党が上田氏に実質的な“相乗り”をしていることを非難した。

　立花氏は２０１７年１０月の衆院選で落選した元自民党衆院議員の豊田真由子氏（４４）、８月の知事選で落選した元プロ野球選手の青島健太氏（６１）、籠池泰典・森友学園元理事長氏の長男・佳茂氏（３８）に出馬を打診したが擁立に至らず。４日夜に「自分が出るべきではと気づいた。一晩中眠れなかったが、決意した」と決断した。

　「勝てる選挙」とした理由として、上田氏が既得権にまみれていると指摘。「みんな既得権を守るために必死になっている。ＮＨＫという組織もその中心にいる」と自身の“マニフェスト”も盛り込みつつ、「既得権益をしっかり壊していかないといけない。自らが既得権益から抜けることで、心意気をお示しすることによって、勝機が生まれてくる」と強気に語った。

　自身が獲得した議席は浜田氏が引き継ぐ。「選挙をする人間と政治をする人間を分ける」ことで、党としての議席増を狙う作戦だ。実業家のホリエモンこと堀江貴文氏（４６）にツイッターで「頭良すぎてヤバい」と絶賛されたこともアピール。「既得権益をぶっ壊す！」とばかりに意気軒高だった。