「ミラーマン」石田信之さん死去 68歳 がん手術8回の壮絶闘病

 特撮ヒーロードラマ「ミラーマン」で主人公・鏡京太郎を演じた俳優・石田信之さんが、今月13日午後に大腸がんからの多臓器転移のため亡くなっていたことが16日、分かった。68歳。所属事務所が公表した。

 葬儀は密葬として16日に執り行われた。2014年に大腸がんが発覚して以降、8回以上も手術を受けるなどして闘病を続けていたが、スーパーヒーローもついに力尽きた。

 石田さんは2013年に骨盤周辺に痛みを感じるようになり、腹痛などもあったことから14年1月に病院で検査を受けたところ「ステージ4の大腸がん」と診断された。同年3月に大腸がん切除の手術を受けたが、検査の結果、肝臓に転移があり、転移ではない別の胃がんも発見された。

 同年5月に胃、8月に肝臓のがんを切除。その後は化学療法を続けていたが、15年7月に今度は尿管にがんが再発。この時、医師からは「余命30カ月」という宣告を受けたという。

 尿管のがん発覚後は11カ月で4回手術を受け、片方の腎臓は機能を停止していた。昨年6月にも胆管を広げる手術を受けるなど、満身創痍(そうい)の状態だったが、それでも「(がんと)長く付き合おうじゃないか」とあくまで前向きに、舞台の脚本を手がけるなどしていた。

 最初の大腸がん手術後の18年3月には、自身のブログでがん闘病中であることを公表。闘病の様子をブログにアップしていた。昨年8月に本紙の取材を受けた際には「がんをインベーダー(ミラーマンの敵の呼称)と思って退治していこうと決意しました」と語っていた。

 最後のブログ更新は今年の4月6日。娘の自宅で孫の小学校入学をお祝いしたことを報告していた。「体調は、安定しています」とつづっていた。しかし、5月になって体調を崩し入院。徐々に衰弱し、体重が30キロ台にまで落ちていた。最後は家族に見守られながら、静かに息を引き取った。

 石田さんは秋田出身。新人だった70年にTBS系ドラマ「柔道一直線」に出演。71年にはフジテレビ系の特撮「ミラーマン」の主人公・鏡京太郎役に抜てきされた。17、18年に上演された朗読劇「遠き夏の日」では脚本を担当。特攻隊を題材にした作品で、「生まれは戦後なんですが、子供の頃はまだ戦争の傷跡が残っている時代でした。やっぱり戦争は絶対にやってはいけません」と強い思い入れも語っていた。

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