改元で道頓堀ダイブ男性…観光船に落下激突、船会社が大阪府警に届け

 元号が切り替わった4月30日夜から5月1日未明にかけ、大勢の群衆が集まった大阪・ミナミで、戎橋から道頓堀川にダイブ行為を行った男性が、橋の下を通行していた観光船の甲板に落下、激突する騒ぎが発生した。船の運航会社は1日、取材に、乗船していた多数の乗客に被害がなかったのは「奇跡」と状況を説明。男性は姿を消したという。運航会社は1日、大阪府警南署に届けを提出した。

 観光船「とんぼりリバークルーズ」を運航する一本松海運株式会社(大阪市北区)によると、ダイブ行為があったのは30日午後8時40分ごろ。ダイブした人が船に落ちてくる事案は、初めてという。

 同社はこれまでも阪神優勝時やサッカーW杯など戎橋に群衆が集まる日には、府警と協議し、昼間も含め運航を避けるなどの対応を行い、30日も改元カウントダウンの騒ぎを想定し、午後9時台には撤収する予定だった。

 しかしダイブ行為は想定外の時間に発生。戎橋の上で男性が「平成ありがとう!」と叫んで、道頓堀川に向かって飛び込んだ。しかし橋の下を運行してきた船の先頭部分に落下し、大きな衝撃音が響き、周囲から悲鳴が起こった。

 同社によると、船には多数の客が乗っていたが、幸いに被害はなかった。少しでもタイミングが違えば、乗客に被害が出ていた可能性もある、きわめて危険な状況だった。

 加えて、男性は甲板に置いてあったタイヤの上に落下。船頭が約1分後に着岸して、乗客らの被害がないか確認したうえで、男性のために救急車を呼ぼうとしたが、男性は「そんなん、いらん」と言って、仲間と消え去ったという。けがをしたのか詳細は不明。同社は、スタッフの安全を最優先に、男性を取り押さえるなどの対応は見送った。

 1日に同社は大阪府警南署に届けを提出。被害届も想定したが、乗客や船などに被害が見当たらないことから、現状、事案の届け出にとどめたという。

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