たった月59円?受信料値下げに視聴者とNHKに感覚のズレ

 NHKが27日、受信料の値下げを発表したが、その幅は来年10月の消費税増税時の価格据え置き分を含めて、地上契約(地上波のみ)2カ月払いの振り込み用紙による支払いで、1カ月あたり59円となった。この日に行われた会見では、この値下げ幅について質問が出た。

 今回の受信料の仕組みは、来年10月の消費税増税による上昇分をNHKが負担し、かつ20年の10月に2・5%相当の金額を値下げするというもの。NHK側の試算によると、前述の「月59円」の値下げは、この2つを合わせてのもので、衛星契約(衛星放送+地上波)の場合は「月102円」となる見込み。なお、実際の値下げ幅は全体から集まった受信料収入の総額を元に計算され、かつ国会承認などの手続きを経なければならないため、決定したものではない。

 会見ではこの金額が少なすぎるのではないかという指摘があったが、上田良一会長の回答は「経営として責任を持ってお示しできる現時点では最大限の規模だと考えております」というものだった。将来的な世帯数の減少、テレビ保有率の低下、放送センターの建替経費、4K8K放送への投資などをすべて勘案して算出したと説明した。

 というのもNHKから見ると、この値下げ分が完全に実行されると年間328億円、さらに社会福祉施設への免除拡大などを行った各種の負担軽減策を含めると422億円規模になると説明している。これは2018年度の受信料収入見込み約7060億円の6%にあたる。NHKとしては6%の受信料収入を還元したのだから努力を認めてほしい、という言い分になる。

 しかし、これが一般家庭の家計にまで降りてくると、一世帯で59円から100円程度に薄まってしまう。当然、家計の総支出の6%が還元されるわけではないため、市民感覚とNHKのはじき出した数字にズレが出るのもやむを得ない。

 NHKの役員の職務の執行を監督する「経営委員会」の石原進委員長は「このぐらいがギリギリかなという数字を執行部から出してこられた」と評価した。視聴者に向けても「一人一人の皆様に還元される金額は(年)1000円なにがしかもしれませんけれども、NHKとして年間422億というのは大変思い切った数字を出していただいたなという感じで見ております」と理解を求めた。

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