森崎ウィン 10年以内にオスカー …それがスピルバーグ監督への恩返し

 窓辺のテーブルでポーズをとる森崎ウィン=都内
 森崎ウィン
森崎が演じた三船敏郎さんをモデルにしたキャラ・ダイトウ
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 巨匠スティーブン・スピルバーグ監督(71)の新作映画「レディ・プレイヤー1」が、20日に公開される。侍キャラのダイトウ役に抜てきされたのが、男性グループ・PrizmaXのメンバーで俳優の森崎ウィン(27)。映画「ハリー・ポッター」シリーズを撮影した英ワーナースタジオで約4カ月間、超世界級の撮影を経験し、ハリウッドデビューを果たした。「気楽に話せる神様」と振り返るスピルバーグ監督の素顔や撮影秘話をシンデレラボーイに聞いた。

 撮影の拠点だった英ロンドン郊外ワットフォードのスタジオには、宿泊ホテルからキャスト用の送迎バスで移動していたという。

 森崎は5分前行動を厳守。「ドライバーさんが『僕はマット・デイモン、ジョニー・デップ、トム・クルーズ…そういう人をずっと乗せているけど、遅刻したのは見たことがない』とおっしゃって。僕は5分前に来てるもんな、うん。『スターはそうですよねぇ』と話しました」とニヤリ。にくい笑顔で、ジョークも嫌みを感じさせないのが魅力だ。

 近未来を舞台に、VR(バーチャル・リアリティー)世界に隠された鍵の争奪戦を描く「レディ・プレイヤー1」。世界の人気キャラクターが登場するのも見どころで、日本からは「ガンダム」「ハローキティ」らが参戦。先駆けて公開された全米、中国などの世界興収は2週間で420億円を記録し、全世界的な大ヒットとなっている。

 森崎は主人公一味の1人、ダイトウ役。スピルバーグ監督の映画「1941」(80年)に出演したこともある名優・三船敏郎さんがモデルで「監督から『“まふに”みたいにやってくれ』と言われて、ん?と思って聞いてみたら、三船さんだ!!と。ロンドンではビデオが見られなかったので、必死に探しました」と役作りした。

 2015年7月に監督も作品名も分からぬまま、一次オーディションのビデオを提出した。同10月に二次として米ロサンゼルスに呼ばれ、小さな会議室でスピルバーグ監督と対面。「『ハーイ、ウィーン!』って言われて、そこから記憶、ほぼ飛んでます」と笑う。

 翌16年6月から9月末までの撮影では、土日休みの週5日、どんなに遅くとも午後5時には終わるハリウッド・タイムを経験。「道路を封鎖した撮影で、タバコのゴミを拾ったら『小道具だから』と怒られた。こだわりがすごい」と驚く。1人に1台、車が貸し出され、オフのドライブが気晴らしだった。

 楽屋として専用トレーラーが与えられ、クランクアップ時にはスピルバーグ監督から手紙とiPhoneが贈られた。手紙には「君は意志が強く、笑顔が明るい。僕を楽しませてくれた1人だ。また一緒に仕事をできたらいいね」と最大限の賛辞がつづられていた。

 「今の目標は、10年以内に米アカデミー賞を取ること。それが僕を選んでくれた監督への恩返しになる気がしています」。真剣な目で語ると「(監督は)多分、僕のことが好きだと思うんです」と、映画の神様を魅了したスマイルを浮かべた。

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