トランプ大統領 国連初演説で北朝鮮ボロクソ
トランプ米大統領は19日、ニューヨークの国連本部で、就任後初めて国連総会の一般討論演説を行った。北朝鮮の金正恩委員長を「ロケットマン」と呼び、6回目の核実験や弾道ミサイル発射を強行した同国を世界共通の脅威と非難し、米国が自国や日本など同盟国の防衛を迫られれば「完全に破壊」するしか選択肢がなくなると警告した。横田めぐみさん=失踪当時(13)=を念頭に「13歳の日本人の少女を拉致した」とも述べ、北朝鮮による拉致問題にも言及した。
トランプ大統領が、初めて行った国連総会の演説で、北朝鮮の金正恩委員長を痛烈に皮肉り、核実験やミサイル発射を繰り返す同国に対し、軍事行動を辞さない姿勢を示した。演説では金正恩(キムジョンウン)体制を「下劣」だと述べ、「核・ミサイル開発を無謀に追求している」と批判した。さらに金委員長に対し「自国や同盟国の防衛に迫られれば、米国は北朝鮮を完全に破壊するしかなくなる。ロケットマンが自殺行為をするようなものだ」と強い口調で非難。全ての国が連携して北朝鮮を孤立させなければならないと訴え、北朝鮮は核放棄しか未来はないとも強調した。
「ロケットマン」は、ロケット型の弾道ミサイルを再三発射させる金正恩委員長を形容したもの。米国のサイトでは、「1972年に英シンガー・ソングライターのエルトン・ジョンが発表した同名曲を引用した」と報じられた。
同曲は、ロケットマンと呼ばれる宇宙飛行士をテーマにしており、宇宙船の燃料を使い果たし、「ひとりぼっちで燃え尽きてしまう」と孤独を嘆く。また「火星は子供を育てるような場所じゃない。地獄のように寒い」とも歌っており、北朝鮮を例えていると解釈されている。トランプ大統領は同曲がお気に入りで、選挙期間中にも遊説先の各地でBGMとして使っていたという。
トランプ大統領が、北朝鮮に「完全破壊」という言葉を繰り出した際には、会場からどよめきが起こり、北朝鮮の国連大使は演説途中に退席し、抗議の意思を示した。