４月に乳がんが発覚し左乳房全摘出手術を受けた歌手・麻倉未稀（５６）が１４日、都内でライブを行い、仕事復帰した。６月２２日に全摘と再建の手術を受け、同３０日に退院したばかり。開演前に会見し、「（担当医から）『９５％大丈夫』と言われ、体力も少しずつ回復して、歌えるようになりました」と報告し、ステージで力強い歌声を響かせた。　　　　　

　体調を考慮して、座ったままでの取材対応となったが、笑顔があふれ、病魔に打ち勝った喜びに満ちていた。衣装の下には胸帯を着けており、左腕はまだ大きく上げることはできない状態だが、「左手以外はそんなに支障はないです」と説明。「まだ体力は半分くらい。完全復帰までに、もっとパワーアップします」と宣言した。

　４月にテレビ番組の企画で５年ぶりに受けた人間ドックで、乳がんが見つかった。「女性としてどうすべきか考え、命があればまた歌えるし、主人とも暮らせると思ったので、覚悟を決めないといけなかった」と左乳房全摘を決断。手術は４時間ほどで終了し、転移はなかった。「小学４、５年のときの盲腸の手術以来」だった入院生活を経て、退院からわずか１４日でステージへと戻った。

　くしくも手術を受けた６月２２日に、同じ病に冒されていたフリーアナウンサーの小林麻央さん（享年３４）が息を引き取った。闘病中に麻央さんのブログを読んでいたといい、「拝見させていただいて、何となくもしかしたら危ないのかな、と…。皆が勇気づけられていたと思います」と感謝の言葉を向けた。

　この日は、がん発覚前から予定していた歌手・庄野真代（６２）とのジョイントライブ。３カ月間は激しい運動を禁止されており、普段は歌唱中に激しく腕を振る代表曲「ヒーロー」も、アコースティックバージョンでの披露になった。盟友の沢田知可子（５３）も復帰祝いに駆けつけた。