三遊亭円歌さん死去、85歳 戦後入門組として初の真打ち昇進

 元落語協会会長の落語家、三遊亭円歌(さんゆうてい・えんか、本名中沢円法=なかざわ・えんぽう)さんが23日午後1時25分、結腸がんによる腸閉塞のため東京都内の病院で死去した。85歳。通夜は26日午後6時から、葬儀・告別式は27日午前10時半から、東京都港区の青山葬儀所で、落語協会葬として行われる。喪主は妻の中沢令子さん。葬儀委員長は柳亭市馬落語協会会長が務める。

 円歌さんは23日午前11時ごろに都内の自宅で倒れ、病院に搬送されたが、亡くなったという。

 1945年9月、二代目円歌に入門。歌奴を名乗り、58年には戦後入門組として初めて真打ちに昇進した。「山のあな、あな…」と吃音(きつおん)経験を生かした新作落語「授業中」で爆笑を誘った。1969年から70年には日本テレビの「笑点」にも出演し、お茶の間に笑いを届けた。

 70年、三代目円歌を襲名。襲名後は、高齢者の暮らしぶりを語る十八番「中沢家の人々」を生み、師匠の二代目円歌が得意とした古典にも熱心に取り組んだ。

 96年から2006年まで落語協会会長を務めた後、同協会最高顧問に就いた。02年に勲四等旭日小綬章を受章。女性初の真打ちとなった三遊亭歌る多さんら後進の育成にも尽力した。

 晩年まで精力的に口演を続け、芸能生活70周年を記念した2015年の一門会では、東京・鈴本演芸場が満員に。楽屋で「きょうが一番良かったな。(観客が増えたのは)みんなが落語を知ってくれたということ」と語っていた。

 落語協会の市馬会長は訃報に触れ「信念を曲げず大衆を笑わせ続け、寄席にお客さんを呼んだ。円歌師匠がいない楽屋は考えたくありませんが、今はただ『長い間お疲れさまでした。ありがとうございました』とお礼を申し上げるだけです」とコメントしている。

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