取材陣を身内のようにまとめる“現場の母”武藤まき子さん悼む
フジテレビ系「とくダネ!」など数多くの情報番組・ワイドショーでリポーターとして活躍した武藤まき子さんが虚血性心不全で5日、死去した。71歳だった。武藤さんは10月27日に営まれた俳優・平幹二朗さんの通夜も取材し、三田佳子ら弔問客にマイクを向けており、実質的には現役最高齢のリポーターだった。
生前に交流のあったデイリースポーツの元芸能担当・原田智恵記者は7日、急逝した武藤さんを偲んだ。
もう20年近く前になるだろうか、ある現場で、会見前に、記事を巡って他社の記者同士がけんかを始めた。売り言葉に買い言葉で、つかみ合いのけんかになりそうだった。そんな現場に到着した武藤さん。「あなたたち、やめなさい!」とピシャリ。一瞬で騒動を鎮めた。2人はお母さんに怒られた子供のような顔。武藤さんはそんな場面を放っておけない人だった。それぞれ違う会社の取材陣を身内のようにまとめる“現場の母”のような人だった。
私も新人の頃から、事あるごとに気にかけてもらっていた。一緒に焼き肉を食べた時に、「最近肌の調子が悪いんです」と何気なく話した。すると翌日、自宅に武藤さん愛用の基礎化粧品が送られてきた。「原田、これ、使ってみなさい」
大先輩でありながら偉ぶらず、時にはメールで「最近“○○な人”って言ったら誰かなあ」と聞かれることもあった。
まだまだ、ご一緒できると思っていた。導いてほしかった。早すぎるご逝去に心からご冥福をお祈りします。合掌。