“舞台人”平幹二朗さん 文字通り命を削って-吉田鋼太郎、藤原竜也ら感銘

 舞台やドラマなどの第一線で活躍した俳優の平幹二朗(ひら・みきじろう)さんが23日、急逝した。

 舞台人としても活躍し、数多くの作品に出演してきた平さん。最後の作品となったのは9日に大千秋楽を迎えた主演舞台「クレシダ」だった。

 作品の公式サイトでは「本作品で圧巻の演技を披露しお客様に感動を与えてくださっただけでなく、舞台裏では共演したスタッフに笑顔を元気を与えて下さった」と追悼コメントを掲載。同作で共演した俳優の高橋洋は「俳優が舞台上で文字通り命を削る姿が焼き付いています」と語り、「大千秋楽の日、『生きていたらまたね』とお茶目な笑顔でお別れしたのが最後になるとは」と平さんと交わした最後の会話を明かした。

 平さんは、今年5月12日に死去した演出家の蜷川幸雄さんを初期の作品から支えた盟友だった。蜷川作品では、平さんの明朗なせりふ回しや重厚な演技が、海外でも高い評価を受けた。15年に出演した蜷川さん演出の「ハムレット」では、井戸の水を裸でかぶる演技で役者魂を見せつけた。俳優の吉田鋼太郎は「私共舞台俳優にとって到底辿り着けない巨星であり、演技のスケールの大きさと華やかさに於いて不世出の俳優だった」と偲び、「蜷川さん最後のハムレットで、ほぼ全裸で水ごりをする演技が忘れられません。もう一度共演させて頂きたかったです」とコメント。

 藤原竜也は「こんなにも突然、また演劇の宝が逝ってしまい、悲しいです。俳優とは孤独なものだと教えてくれた人でした。平さん、天国でまた蜷川さんと芝居しますか」と悼んだ。

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