徹子、涙と笑いの弔辞 永六輔さんお別れの会 次女麻理「面白がっているだろうな」

 肺炎のため7月7日に死去した放送タレントの永六輔さん(享年83)をしのぶ「六輔 永(なが)のお別れ会」が30日、東京・青山葬儀所で営まれ、関係者300人、一般の800人が参列した。次女でフリーアナウンサーの永麻理(55)が「(父は)楽しいことが大好きだったので、泣かずに笑っちゃうような会に」と企画。弔辞を読んだ黒柳徹子(83)は永さんがあごが外れたエピソードで爆笑を誘い、朗読、歌唱、太鼓奉納など、マルチに活躍した故人らしくバラエティーに富んだ明るい惜別となった。

 「きょうは泣かないでください。みんなで笑って過ごしましょう」

 麻理が呼びかけた通り、会の間中、何度も笑いと拍手が起きた。

 最初に弔辞を読んだ「友達歴61年」という黒柳は「私が死んだときの葬儀委員長をやるとおっしゃってたのに…」と悔やんで笑いを誘うと、夜中にあごが外れた永さんが、タクシーの運転手に行き先を告げるのに苦労しながら病院に行った話や、一度だけおごってもらった食事がラーメン店のネギ飯だった話などを明かし、盛り上げた。

 それでも、盟友の中村八大さんが92年に亡くなった直後に報道陣から「悲しいですか?」と聞かれた永さんが「バカヤロー!当たり前じゃねえか」と怒鳴った場面を回想した際にはこらえきれず涙。孟宗竹(もうそうちく)と4000本以上の花で彩られた和風な祭壇の中央から遺影の永さんが見守る中、7分の予定を15分以上語り続けた黒柳は「永さんのいないこの世はつまらない。また近いうちにお会いすると思うので、その時にまた。じゃあね」と締めくくった。

 故人の名前をもじる会名から遊び心たっぷりの「お別れ会」は、テレビ、ラジオ、作詞、俳句、執筆、市民運動と元祖マルチタレントとして多方面に活躍した永さんらしく、盛りだくさんの内容。久米宏のほか、作家、医師、ジャーナリストと各界の9人が弔辞を読んだ。孫による詩の朗読に続き、ジェリー藤尾(76)が永さん作詞のヒット曲「遠くへ行きたい」を歌い上げた。「お便りコーナー」としてポストが設置され、参列者が記帳代わりに配られたハガキに、ラジオを愛した永さんへのメッセージをしたため投かんした。

 早朝から吹き荒れた台風10号による暴風雨が、閉式のころにはすっかり上がり、晴れ間をのぞかせた。麻理は「父のいたずらかしら。台風を含めて面白がっているだろうな」と苦笑い。「これからも、ふと上を向いたとき、夜の星を見上げたとき、湯気が天井からポタリと落ちてきたとき、遠くへ行きたいと思ったときに父を思い出してくれたら」。明るく、温かい1時間半の“宴”。天国の永さんも満足だったに違いない。

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