歌丸、「笑点」勇退 後任は昇太
落語家の桂歌丸(79)が22日、東京・麹町の日本テレビで同局系演芸番組「笑点」の生放送スペシャルに出演し、同番組への最後の出演を終えた。放送中は冷静だった歌丸も、終了後には思わず落涙。後継となる6代目の司会者には大喜利レギュラーの春風亭昇太(56)が昇格し、29日の生放送から担当することも発表された。昇太に代わる新回答者も決定済みで、同日の放送で発表される。
1時間30分の生放送では最後まで笑顔だったが、終了後、客席にあいさつした途端、目には光るものがあった。歌丸は「だらしないんですけど、せきが切れてしまいました」と照れ笑いした。
50年前の第1回を知る最後の一人として、細い体で屋台骨を支えてきた。集大成のこの日、「最後と思うとジーンと来ちゃう。『いつもの笑点だ』と自分で言い聞かせて」と、努めて平常心で臨んだ。
大喜利では三遊亭円楽(66)との掛け合いなどで安定の笑いを提供。「私の最後の大喜利のお時間のようです。50年間本当にありがとうございました。厚く御礼を申し上げます」と締めくくった。
その瞬間、50年間の思い出が一気に去来。「色んなことがありました。面白いこと、悲しいこと、悔しいこと。全部がごっちゃになって、頭に出てきたんですね。途端に涙腺が狂っちゃいました」と、涙の理由を口にした。
50年間、出演し続けられた理由を「やっぱり『責任』でしょうね。自分に課せられた責任と思っています。笑点に選ばれた人間ですから」と語った。「大喜利史上初めて、回答者の方が上から目線です」と話した新司会者の昇太には「全員が同格。上下の差は楽屋であることで、舞台の上では同格ですから」と助言。最後まで「責任」を果たし続けた。
