バラに囲まれ…戸川昌子さん通夜

 4月26日に胃がんのため85歳で死去した、作家で歌手の戸川昌子さんの通夜が4日、東京・臨海斎場でしめやかに行われた。女優の前田美波里(67)、高畑淳子(61)ら、親交が深かった約400人が参列。喪主を務めた長男でシャンソン歌手のNERO(年齢非公表)は「本当に、世界一誇りに思える母でした」と落涙した。

 別れの時まで、戸川さんらしい“オンステージ”だった。祭壇は、戸川さんが1967年から2010年まで渋谷で開いていたシャンソンバー「青い部屋」を模して設営され、遺体にはお気に入りの白いステージ衣装が着せられた。棺の周囲には戸川さんがもっとも愛した深紅のバラが約3000本。10点のステージ衣装も飾られた。お清めには、戸川さんの大好物だった赤ワインが用意された。

 開式前に取材に応じたNEROは、戸川さんの最期を「苦しまずに、眠るように逝けたので良かった」と述懐。がん発覚後の5年間はコンビで音楽活動を行っており、「最後の最後までステージに立って、戸川昌子らしい生き方をしていきたいということだったんで…」とした。

 偉大すぎた母に対し、「一言では言い表せない、『戸川昌子』だったとしか言いようがないです」と思いを吐露。胃がんの影響で「最後の1年間は吐き気とか、いろんなものと戦いながらステージに立っていました」と壮絶な歌手人生の締めくくりも明かした。

 戸川さんの戒名は「浄賢院楽音文昌大姉」。歌手として、作家として多くの人に楽しみを与え続けた戸川さんにふさわしい文字が並んだ。NEROも「戸川のやってきたことを、こうして字にしていただいて、ありがたいですね」と感無量の様子で話した。

 「本当に世界で一番誇りに思う、母であり師ですね。母が残してくれた財産は歌なので、これからずっと歌い継いでいければ」とNERO。文豪、俳優、歌手…。多くの人に愛され輝き続けた戸川さんの存在は、これからも残り続ける。

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