ウエンツ「あの世で妖怪たちと…」
「ゲゲゲの鬼太郎」など独自の妖怪物や戦記で知られた漫画家の水木しげる(みずき・しげる、本名武良茂=むら・しげる)さんが30日午前7時18分、多臓器不全のため東京都三鷹市の杏林大病院で死去した。93歳。鳥取県出身。葬儀・告別式は近親者で行い、後日、お別れの会を開く。喪主は妻武良布枝(むら・ぬのえ)さん(83)。
映画「ゲゲゲの鬼太郎」(2007年)「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」(08年)に鬼太郎役で主演したタレントで俳優のウエンツ瑛士(30)が30日、水木さんを追悼した。
水木先生とは、スタッフ向け試写会でお会いさせていただきました。お話しすると柔らかい印象でした。見終わった後、「君は77点だよ!」とおっしゃるので、ちょっと低いのかなと心配になったんですが、そのあと先生は「80点満点でね」と付け加えました。
思ってもないところから言葉が飛んでくる、すごいユーモアのある方と驚きました。僕自身「なんで自分が鬼太郎なんだろう」と不安に思っていたところだったので、すごく気が楽になったのを覚えています。
(「鬼太郎」は)自分の芸能人生にもたいへん大きな転機になりました。僕はもともと、こういう容姿がコンプレックスで、事務所にも「役者はできないかもしれないよ」と言われていました。
でも「鬼太郎」がヒットして、映画賞の新人賞などもいただけて、役者としての未来を開くきっかけをいただけました。水木さんご自身が自分の道を貫いて鬼太郎の世界を築きあげたとあって、どういう風に生きていくべきかまでを教えてくださった気がします。
きっと今ごろ、あの世で自分自身が作った妖怪と戯れているんじゃないでしょうか。キャラは生き続けるので、演じさせていただいた僕は、これからも先生の思いをつなげていこうと思います。