獅童で初の絵本歌舞伎化 南座で上演

 人気絵本シリーズ「あらしのよるに」が歌舞伎舞台化され、アニメ映画版(2005年公開)で主人公のオオカミ・ガブの声を担当した歌舞伎俳優の中村獅童(42)が、同役を演じることが24日、分かった。京都南座の「九月花形歌舞伎」(初日未定)として上演。新作歌舞伎の題材として、現代絵本作家による童話が取り上げられるのは、初の試みとなる。

 オオカミのガブとヤギのメイの友情を描いた「あらしのよるに」。獅童は同作関連で、02年にNHK「てれび絵本」で朗読を担当、05年にはアニメ映画で声優を務めており、3度目の登板となる“ハマリ役”だ。

 昨年9月に原作者・きむらゆういち氏とのトークショーで、歌舞伎化を熱望していた獅童にとっては、念願がかなった形。満を持して本業でコラボすることになり、「何かとご縁があります。亡くなった母も大好きな話でした。友情というのは永遠のテーマでもあるし、大人も泣けてきちゃうのは、童話ならではの世界観」と思い入れを語った。

 2年前に市川海老蔵(37)は自主公演で「花咲かじいさん」を歌舞伎化。昔話の童話が題材となるケースは過去にもあったが、製作サイドによると、現代作家が手掛けた童話が歌舞伎演目となるのは今回が初めてだという。「古典もしっかり勉強しつつ、新しいチャレンジもしていきたい。昭和のころと比べると、家族連れのお客さまが減ってるので、家族で見る娯楽になれば」と新ジャンルに期待を込めた。

 アニメ映画版で俳優・成宮寛貴(32)が声を担当した、ヤギのメイを演じる役者は今後発表され、歌舞伎らしく舞踊も取り入れられる予定だという。「声優のときはダミ声でしたが、マイクを使わない演劇であの声を1カ月やると声がつぶれるので、工夫したいと思います」。心優しきオオカミ・ガブとの“再会”を、獅童は心待ちにしていた。

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