米映画館へテロ予告、ハッカーが警告
北朝鮮をやゆする内容の映画を製作したソニーの映画子会社、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントがサイバー攻撃を受けた問題で、ハッカーがネット上で、同映画が上映される映画館へのテロ攻撃をほのめかしていることが分かった。テロ予告を受けて、米ニューヨークで18日に先行上映を予定していた映画館は上映を中止した。米メディアが16日報じた。
映画はクリスマスに米国などで公開予定の「ザ・インタビュー」で、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を描いた。ネット上の掲示板に公開されたメッセージは、先行上映を含む同映画の上映時間に映画館から「離れるよう忠告する」と警告。映画館付近に住む人に外出するよう呼び掛けているほか、2001年の米中枢同時テロにも言及。「01年9月11日を忘れるな」「世界は恐怖に包まれるだろう」などとしている。
メッセージの発信者はハッカーと同じ「平和の守護神」を名乗っており、米連邦捜査局(FBI)も捜査している。
「テロ」予告を受けて、ニューヨークで18日の先行上映を予定していた映画館は上映中止を発表。全米で278の映画館を経営するカーマイク・シネマズも上映取りやめを決めた。米国土安全保障省はこれまでのところ映画館のテロ攻撃につながるような動きはないとしている。
一方、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの元従業員らは15、16の両日、ハッカーによる攻撃で個人情報などが流出したのは、同社がシステム上の弱点を把握しながら対策を怠っていたせいだなどとして、ロサンゼルスの裁判所に訴訟を起こした。