米倉斉加年さん急死…昭和の名優また

 舞台、映画、ドラマに幅広く出演し、絵本作家でもあった俳優の米倉斉加年(よねくら・まさかね)さんが26日午後9時33分、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂のため福岡市内の病院で死去したことが27日、分かった。80歳。遺作となった映画「ふしぎな岬の物語」(10月11日公開)で共演した女優の吉永小百合(69)は「もっともっとご一緒したかったです」と突然の死を悼んだ。葬儀・告別式は近親者で行い、後日、お別れの会を開く予定。       

 森光子さん主演の舞台「放浪記」や、NHKの大河ドラマ「国盗り物語」、映画「男はつらいよ」シリーズなどで活躍した、名脇役が突然、世を去った。

 所属事務所によると、米倉さんは26日、所用のために訪れていた故郷の福岡市で倒れた。そのまま同市内の病院に運び込まれたが、腹部大動脈瘤破裂のため亡くなった。同行していた妻のテルミさんが最期をみとった。

 米倉さんは、最近も特に体調不良を訴えるようなことはなかったという。今年2月から3月にかけての「ふしぎな‐」の撮影にも元気に参加。同作では医者役で出演しており、体調の悪いキャラクターに注意を促すという役どころだった。

 また、講演活動なども行っており、今月3日には東京・品川区立歴史館講堂で「学童疎開資料センター開設1周年記念講演会」に出演し、自らの疎開体験を語っていた。

 あまりに突然の別れに「ふしぎな‐」主演の吉永は「ロケ地でもとてもお元気で、楽しそうに岬を歩いてらしたのに驚いています」とコメント。10代のころから、日活の映画で何度も共演し、2人だけのミュージカルにも出演しただけに「思い出がいっぱいで、もっともっとご一緒したかったです」と無念の思いを語った。

 米倉さんは西南学院大学を中退し、1957年に劇団民藝に入団し、00年に退団するまで多くの舞台に出演。「放浪記」では詩人の白坂五郎役、「男はつらいよ」では寅さんの恋敵などを演じた。また、食品メーカー「モランボン」の焼き肉のタレ「ジャン」のCMでもおなじみだった。

 役者だけでなく、絵本作家としても才能を発揮し、イタリアの「ボローニャ国際児童図書展」で、2年連続グラフィック大賞を受賞した。

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