広島県内、豪雨で大規模土砂災害

 19日深夜から20日未明にかけ、広島市を中心に局地的な豪雨となり、広島市の安佐南区、安佐北区で土砂崩れや土石流が発生、多数の住宅がのみ込まれるなどした。

 広島県警によると、兄弟とみられる11歳と2歳の男児や消防隊員を含む36人が死亡し、生き埋めになるなど7人が行方不明。けが人も多数出ており、警察や消防、自衛隊が救助に当たった。

 安佐南、安佐北の両区では広範囲に土砂崩れが起き、安佐南区八木では山あいの住宅多数が押し流された。被害に遭った住民は地域の学校や集会所に避難した。

 安倍晋三首相は官邸などで情報収集し、被災者救助や被害の拡大防止に向けた対応に努めた。

 日本海にある前線に暖かく湿った空気が流れ込んで大気が不安定になり、安佐北区では20日午前1時半から3時間の降雨量が観測史上最大の217・5ミリを記録した。

 県警が死亡を確認したのは、広島市安佐南区緑井8丁目の無職沢本範子さん(77)、同区毘沙門台3丁目、安佐北消防署員、政岡則義さん(53)、同区緑井7丁目の広島市都市交通部長、竹内重喜さん(54)ら。

 広島市災害対策本部によると、20日未明から「土砂で生き埋めになった」「川で流された」と119番が相次ぎ、安佐北区可部東6丁目で数人が生き埋めになったとの連絡もあった。政岡さんは可部東6丁目で住民5人を救助した後、土砂崩れに巻き込まれ亡くなった。

 気象庁によると、安佐北区付近では20日午前3時50分ごろ、1時間に100ミリを超える「記録的短時間大雨情報」が出された。広島市は20日午前4時20分以降に各地区に避難勧告を出したが、市消防局の金山健三危機管理部長は「災害が起きる前に避難勧告を出せず、遅かった。見直しの必要がある」と話した。松井一実市長は「非常に残念。改善すべき点を検討して必要な是正を行っていく」と述べた。

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