古物商「まんだらけ」（東京都中野区）の店舗で漫画「鉄人２８号」のブリキ製おもちゃ（販売価格２７万円）を万引したとして、警視庁は１９日、窃盗の疑いで、千葉市若葉区のアルバイト岩間和俊容疑者（５０）を逮捕した。「売った金で（怪獣の）フィギュアを買うために盗んだ」と供述している。事件では、まんだらけがホームページ（ＨＰ）上で、防犯カメラに写った万引犯とする人物に対し、返却しなければ顔写真を公開すると警告して是非が議論になった。

　逮捕容疑は、４日午後５時ごろ、中野区のまんだらけ中野店で、鉄人２８号のおもちゃを盗んだ疑い。

　警視庁によると、岩間容疑者は「ショーケースのガラス戸が少し開いていたので盗んでしまった。売ってお金にしようと思った」と供述。その金で怪獣のフィギュアを買おうと考えていたという。

　捜査員が１８日、被害にあった店舗と同じビル内にある別の古物店で被害品とみられるおもちゃを発見。店側に確認すると、事件３日後の７日に岩間容疑者の身分証を所持した男が６万４千円で売っていたことが判明した。

　まんだらけは、５日に防犯カメラに写った犯人とみられる人物の顔にモザイクをかけた画像を公開し、１２日中に返さなければモザイクを外すと警告。中野署から「捜査に支障が出る恐れがある」として公開しないよう要請され、１３日未明に公開を中止した。

　岩間容疑者は、まんだらけ側の警告を知ったのはおもちゃを売却した後だったとし、「返すに返せなかった」とも話している。

　岩間容疑者は怪獣のフィギュアを収集しており、警視庁は同日、自宅を家宅捜索し、事件の際に持っていたとみられるバッグなどを押収した。さらに詳しい経緯を調べる。

　まんだらけの古川益蔵社長は「零細企業の人たちは万引に困っており、この機会に、社会が万引という犯罪に注視してほしい」と話した。