同級生殺害、県に情報届いていた

 長崎県佐世保市で高校1年の同級生を殺害したとして女子生徒(16)が逮捕された事件で、発生前の6月、県の児童相談窓口に寄せられた情報に「女子生徒は人を殺しかねない」との内容が含まれていたことが31日、県関係者への取材で分かった。

 県は具体的な対策を取らず、情報を生かせなかった。県と、報告を受けた県議会は、当時の対応が適切だったかどうかを含め経緯を調べている。

 県関係者によると、女子生徒を診察した精神科医が6月10日、相談窓口がある佐世保こども・女性・障害者支援センターに連絡。精神状態の不安定さを懸念し「小学生の時に薬物混入事件を起こした。中学生になって父を殴打した。このまま行けば人を殺しかねない」と相談。小動物を解剖した例も挙げ対策を求めた。ただ、守秘義務に触れる恐れがあるため女子生徒の氏名は伏せた。県福祉保健部によると、相談を受けた担当者は、匿名だったため対応は困難と判断した。

 一方、県警は31日夜、殺人容疑で女子生徒の実家の家宅捜索を始めた。県警は女子生徒が小学校時代、クラスメートの給食に漂白剤などを混入させた経緯について、当時被害に遭った児童の関係者に事情を聴いた。女子生徒が通っていた高校によると、1年生2人にも事情を聴いた。市教委や関係者によると、女子生徒が小学6年だった2010年12月、ベンジンや漂白剤、洗剤を水で薄めて女児の給食に計4回混入させた。女児は体調を崩し、病院で手当てを受けた。女子生徒は当時の学校の調査に「そんなに勉強をしているのが分からないと言われ、腹を立てた」と説明。別の男児の給食にも1回混入させた。

 市幹部は当時、混入について「担当者レベルで対応できる問題と判断したため」市教委や市議会に報告しなかったと明らかにした。

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