“北斎のゴースト”アニメに映画になる

 浮世絵師・葛飾北斎の娘で、晩年は北斎名義で多くの作品を世に残したとされるお栄の姿を描いたアニメ映画「百日紅(さるすべり)」が製作されることが24日、分かった。原作は江戸風俗研究家で漫画家の故杉浦日向子さんの代表作。アニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「河童のクゥと夏休み」などで高く評価され、昨年、「はじまりのみち」で実写映画デビューした原恵一監督(54)の、待望の新作となる。

 世界に誇る日本のアニメーションが、200年前の江戸の街と、知られざる“ゴースト”の姿を描き出す。原作は2005年に46歳の若さで亡くなった杉浦さんの同名漫画。江戸風俗研究家でもあった杉浦さんらしい、いきいきとした江戸の世界が描かれている。

 もともと杉浦作品のファンだったという原監督は、「百日紅」で描かれている現実と幻想、人の生死や日常、季節の移り変わりなどに注目。「画面も変化に富んだ作品が作れるし、杉浦日向子さんという素晴らしい作家のことをもっと知ってもらえれば」と、製作意図を明かした。

 原監督にとっては映画「カラフル」(10年)以来のアニメで、「はじまりのみち」を経てのホームグラウンド。「新しくて、現実味のある『時代劇』にしたいと思う」と、実写の経験も盛り込むつもりだ。北斎のアシスタントであり“ゴースト”でもあったお栄の目を通して、江戸の市井の人々を描き出す。

 原監督は6月9日から14日までフランスで開催される「アヌシー国際アニメーション映画祭」で製作発表を行う予定。11年の同映画祭では「カラフル」で長編部門特別賞と観客賞を受賞しているだけに、いきなり世界から注目を集めることになりそうだ。

 映画の完成は今年の年末、日本公開は15年を予定している。

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