67回目の「原爆の日」5万人が黙とう
広島は6日、原爆投下から67年の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。
平和宣言で松井一実市長は、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に全力を尽くすことを誓うとともに、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者が前向きに生きようとする姿は67年前の広島に重なるとして「私たちの心は皆さんと共にある」と呼び掛けた。
野田佳彦首相も参列し、あいさつで原発事故について「除染などの生活基盤の再建に全力を尽くす」と誓う一方、「脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」と従来の方針を述べるにとどめた。
式典では、原爆投下時刻の午前8時15分に参列者約5万人が黙とう。原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の馬場有町長が出席。原爆投下を命令した当時のトルーマン米大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(55)も初めて参列した。
