松山、激闘制し2年連続惜敗の雪辱V

 「米男子ゴルフ・フェニックス・オープン最終日」(7日、TPCスコッツデール=パー71)

 息詰まる激闘を制した。3打差の2位で出た松山英樹(23)=LEXUS=が逆転優勝し、2季ぶりの2勝目を挙げた。日本人の米ツアー複数回勝利は3勝の丸山茂樹に次いで2人目。松山は4バーディー、ボギーなしの67で回り通算14アンダーでリッキー・ファウラー(27)=米国=と並んだ。プレーオフ4ホール目でパーを取って勝利を決め、優勝賞金117万ドル(約1億3700万円)と2季後までのツアー出場資格を獲得した。

 アリゾナの空のように、松山の表情はどこまでも晴れやかで澄み切っていた。4ホール目までもつれ込んだプレーオフを制してメモリアル・トーナメント以来2季ぶりの2勝目。少し目尻を下げ、トロフィーを掲げた。

 全米屈指の人気者・ファウラーとの“一騎打ち”は最終ラウンドと合わせて22ホールに及ぶ死闘となった。16番を終えてファウラー14アンダー、松山12アンダー。残り2ホールで2打差。この時点で松山は「やっぱり今年も無理かなと思った」

 だが、17番で一気に流れが変わった。332ヤードのパー4で1オンを狙ったファウラーのドライバーショットは、グリーン手前で弾み、縦幅30メートル以上のグリーンを転がって奥の池に落ちた。これを見た松山は3番ウッド(3W)で手前から攻めてバーディー。ファウラーはボギーとし、13アンダーで並んだ。

 続く18番パー4。今度は松山に「人生で一番いいパット」が生まれた。ファウラーの外側、ピン上5メートル。間合いを長くとり、難しいラインを流し込むように沈めた。本人は頭になかったというが、昨年の18番では同じ距離を外してプレーオフを逃していた。今年はバーディーを決め、両手を突き上げた。

 プレーオフも圧倒的にファウラーへの声援が大きかったが、松山は「勝ってやる」と反骨心を燃え上がらせた。18番、18番、10番はともにパー、バーディー、パーで譲らず。4ホール目は約1時間前にファウラーが池に打ち込んだ17番。今度は3Wでショット。ところが、今度はドローが強すぎてフェアウエーにバウンドした後、グリーン左の池に落ちた。第3打をピン下2メートルにつけたが、パーパットを外した。手前から着実に攻めた松山はパーを取り、長い勝負に終止符を打った。

 昨年2位、一昨年4位とあと一歩だった大会を、3度目で制覇。敗れたファウラーは「おめでとう。またやろうぜ」と握手を求めてきた。松山は笑顔で返しつつ、会見では「もうやりたくないと思われるようなプレーができるようにしたい」と、きっぱり。見据える領域はもっと上だ。

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