池田勇太 激闘V プロの意地とプライド見せた「アマに負けてはいけない」

 「男子ゴルフ・日本オープン・最終日」(15日、岐阜関CC東C=パー70)

 単独首位から出た池田勇太(31)=フリー=が3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの72と苦しみながらも、通算8アンダーで逃げ切り、3年ぶり2度目の日本一に輝いた。今季3勝目でツアー通算19勝目。5打差の2位から出て、1927年第1回大会の赤星六郎以来90年ぶりのアマチュアVを目指した金谷拓実(19)=東北福祉大1年=は68と伸ばしたものの1打及ばず2位となり、15年以来2度目のローアマに輝いた。

 プロの意地と誇りが激戦を制する原動力だった。最終18番、50センチのウイニングパットを沈めると、池田は両手を突き上げて感情を表した。ショットが曲がり、OB2発。苦しんだ末につかんだ2度目の日本一に「日本オープンに勝つっていうのは難しいもんなんだね」と、ほっとしたように苦笑いした。

 過去に経験したことがない異質の重圧がショットを狂わせた。2位に5打の大差をつけて迎えた最終日、追ってきたのは東北福祉大の後輩で、ひと回りも年下の金谷。前夜は気の早い仲間たちから「優勝おめでとう」の祝福メッセージが届いた。「負けるわけないでしょ、という試合。相当な気負いがあった」と振り返った。

 苦戦にもつれ込む原因は3番パー4。第1打を左OBとしてダブルボギーをたたいた。対する金谷はバーディーで一気に2打差。4番で差は1打に縮まったが、曲がるショットを小技でカバーした。

 6番はチップインバーディー。2オン失敗の7番パー5もラフから80センチに寄せてバーディーを重ねた。297ヤードの11番パー4は1オンに成功しバーディー。16番で2回目のOBもボギーでしのぐと、18番は思い切りよくドライバーを振ってフェアウエーを捕らえ、ピン右手前15メートルから2パットで締めた。

 苦戦はしたが、結局は金谷に一度も並ばれることなく逃げ切った。「プロのプライドがあるからね。自分じゃなくてもプロならアマに負けてはいけないと思う」。後輩に大きな背中を見せてつかんだ2度目の日本一の味は、前回とはひと味もふた味も違った。

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