池田勇太 恵みの雨で今季3勝目 賞金王へ大前進

 「男子ゴルフ・カシオワールドOP・最終日」(27日、Kochi黒潮CC=72)

 最終ラウンドは降雨によるコンディション不良のため途中で中止となった。第3ラウンドまでの成績により、通算13アンダーで首位に立っていた賞金ランキング1位の池田勇太(30)=日清食品=が今季3勝目、ツアー通算16勝目を挙げた。規定により賞金は75%に減額され、優勝賞金は3000万円。賞金ランク2位の谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=は7位で、池田との獲得賞金差は約3077万円に広がった。賞金王の決定は最終戦の日本シリーズJT杯(12月1日開幕、東京よみうりCC)に持ち越された。

 ロッカールームで待機中に思わぬ“吉報”が舞い込み、あっけなく優勝が決まった。「ちょっと残念でやり切れない感じだけど、自然には勝てないのでしょうがないですね」。池田は不完全燃焼の思いをにじませ、苦笑いを浮かべた。

 ただ、54ホールに短縮されたとはいえ、その勝負強さは際立っていた。バーディー数「21」は断トツ。前戦のダンロップフェニックスは最終日の17番で1・5メートルを外して負けたが、今大会は3日目の18番で1・5メートルのバーディーパットを沈めた。それが大きかった。

 「(打つ前に)思い出して嫌な感じだった。それをしっかり入れることができたのが、結果的には良かった」

 優勝をアシストしたのは、プロ16年の実績を誇る坂井恵キャディーだ。今季3度目のコンビながら「(10月の本間ツアーワールド杯と合わせて)2回勝ったというのは、驚異的だと思う」とは池田の説明だ。以前は「怒れないから女性のキャディーは嫌だ」と話していたが、「メグ(坂井キャディー)は『もっと上を目指したい』と口癖のように僕に言ってくる」。その負けん気の強さが、池田の背中を押している。

 東北福祉大の先輩でもある谷原との賞金王レースは最終戦までもつれ込んだ。“勝利の女神”の坂井キャディーを引き連れ、30歳の若大将が運命の日本シリーズに乗り込む。

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